スリランカ・Kelanniya大学内科のArjuna De Silva氏

 上部消化管内視鏡の検査前禁食は、日本では前夜9時からが一般的。しかし、米国消化器内視鏡学会(ASGE)のガイドラインでは、禁食時間を固形物で最短6時間、液体は同4時間と規定している。この違いは、パンと米飯の消化時間の違いに由来するようだ。スリランカ・Kelanniya大学内科のArjuna De Silva氏らが、5月30日から6月4日まで、米シカゴで開催された米国消化器内視鏡学会(第40回米国消化器病週間DDW2009)で報告した。

 Silva氏らは、インフォームドコンセントを得た上で、無症状の209人を対象とした臨床試験を実施した。対象を無作為に、R6群(n=105)とR10群(n=107)に割り付け、条件を揃えた米飯食を摂らせた後、R6群は食後6時間目に、R10群は食後10時間目に、上部消化管内視鏡検査を実施した。食事は米飯、ダール豆、卵を含み、同じ熱量(カロリー)とした。

 内視鏡検査は熟練した1人の内視鏡医が実施し、実施医と、別の熟練した内視鏡医1人が独立に画像を精査し、良好、平均的、貧弱の3段階で評価した。

 その結果、実施医の評価では、R6群で、良好53.3%(56人)、平均的18.1%(19人)、貧弱28.6%(30人)と、良好は半数にとどまったのに対し、R10群では、良好が91.6%(98人)と9割を超え、以下、平均的が6.5%(7人)、貧弱が1.9%(2人)だった。両群の分布の差は有意だった(p<0.001)。独立評価者による評価もよく一致し、一致度を示すカッパ値(1で完全一致を示す)は0.97と極めて高かった。なお、患者背景(年齢、性別)と診断結果には有意な差は認められなかった。

 これらの結果についてSilva氏は、「我々は超音波検査などによる予備的研究で、パンでは6時間以内に完全に胃内が空になるのに対し、米飯では10時間かかることを確認している。ASGEガイドラインは、西洋食をベースとした規定ということができ、米飯を食べるアジア圏で、そのまま適用するのは適切でない」としていた。