喫煙との関連については既にさまざまな報告があるが、大腸癌手術後の異時性癌*の発生にも喫煙が関与していることが分かった。米シカゴで開催された2009年米国消化器学会(第40回米国消化器病週間DDW2009)のポスターセッションで6月3日、スペイン・Navarra大学のAna Borda氏が発表した。

 Borda氏らは、大腸癌の治癒的切除術を行った355人を非喫煙者、1年以上喫煙していない元喫煙者、週に7本以上はタバコを吸う喫煙者の3群に分けた。各群の割合は非喫煙者50.7%、元喫煙者30.1%、喫煙者19.2%だった。全員に対して平均49カ月の経過観察を実施、その間、全大腸内視鏡検査を施行した。検査回数は平均2.8回だった。

 追跡の結果、異時性癌が7人(2%)、異時性腺腫が151人(42.5%)で発見された。喫煙の有無と異時性癌(癌および腺腫、以下同じ)の発生頻度の関連をみたところ、非喫煙者での発生頻度が33.9%だったのに対し、元喫煙者では47.7%で非喫煙者の1.78倍(95%CI:1.06-2.99、p=0.021)、喫煙者では57.4%で非喫煙者の2.62倍(95%CI:1.43-4.82、p=0.0008)と、いずれも非喫煙者に対して有意に発生頻度が上昇していた。

 なかでも、1日10本以上タバコを吸う喫煙者の異時性癌発生頻度は61.4%で、非喫煙者の3.10倍(95%CI:1.49-6.48、p=0.0008)だった。Borda氏はこの結果から、「1日10本以上タバコを吸う喫煙者では、大腸癌手術後に異時性癌を早期に発見するため、綿密なフォローアップを考慮する必要がある」と結論づけた。


【*】時間をおいて(通例1年以上)再発した癌のこと。