米マイアミ大学のLuigi Meneghini氏

 基礎インスリンと経口血糖降下薬の併用(BOT)療法を実施する2型糖尿病患者において、基礎インスリンとして持効型溶解インスリンアナログ製剤であるインスリン デグルデク(以下、デグルデク)を用いると、血糖値の日間の個体内変動がより小さくなることが明らかになった。米マイアミ大学のLuigi Meneghini氏らが、6月21〜25日にシカゴで開催された米国糖尿病学会ADA2013)で報告した。

 Meneghini氏らは今回、デグルデクの5件の第3相試験に登録された患者データを事後解析した。5件の試験はいずれも、インスリン グラルギン(以下、グラルギン)を対照薬とするデグルデクのオープンラベル、ランダム化比較試験で、空腹時血糖値が目標値に達するようにインスリン投与量を調節するtreat to target法で行われた。

 4件の試験は、デグルデクあるいはグラルギンと経口血糖降下薬を併用するBOT療法の比較試験で、そのうち3件はインスリン治療歴のない患者(BOT-IN)が対象、1件は前治療でインスリンを使用していた患者も含まれていた。残りの1件は強化インスリン療法において、デグルデクとグラルギンを比較する試験だった。

 5件の試験を合わせた対象患者は、デグルデク群2262例、グラルギン群1110例だった。対象の年齢は56.6〜59.1歳、BMIは25.0〜32.4kg/m2、糖尿病罹病期間は8.2〜13.5年、HbA1c値は8.2〜8.5%、空腹時血糖値は153〜175mg/dLだった。

 すべての試験で、毎週連続3日間の朝食前血糖値を自己測定し、平均空腹時血糖値が70mg/dL以上90mg/dL未満になるように、デグルデクあるいはグラルギンの投与量を同じアルゴリズムで調節した。

 血糖値は、朝食前、朝食後90分、昼食前、昼食後90分、夕食前、夕食後90分、就寝前、午前4時、翌日の朝食前の9ポイントで測定し、それらをプロットして曲線下面積(AUC)を台形法で算出した。これを26週の試験では投与後12週、16週および26週に行い、52週の試験ではさらに40週と52週に行い、AUCの変化を変動係数(CV%)に置き換え、血糖値の個体内変動の程度を評価した。

 評価項目は、試験期間全体(full trial period)におけるCV%の比とした。また、通常、インスリンの投与量調節にある程度の期間を要するため、空腹時血糖値と投与量が安定する16週以降のデータを用いた維持期間(maintenance period)の解析も行った。

 まず試験期間全体の解析では、インスリン治療歴のない患者(BOT-IN)におけるCV%は、グラルギン群の15.2%に対しデグルデク群が13.8%となり、比(デグルデク/グラルギン)の推定値は0.90(95%信頼区間[95%CI]:0.86-0.94、P<0.05)で、デグルデク群の方が統計的に有意に小さかった。BOT全体でもグラルギン群の14.9%に対しデグルデク群は13.8%で、比の推定値は、 0.93(95%CI:0.89-0.96、P<0.05)とデグルデク群が統計的に有意に小さかった。一方、強化インスリン療法実施患者では両群間に差はなかった。

 維持期間の解析でも同様の結果が得られた。インスリン治療歴のない患者(BOT-IN)ではグラルギン群15.2%に対しデグルデク群13.6%、(比の推定値:0.89、95%CI:0.84-0.94、P<0.05)、BOT全体でもグラルギン群15.0%に対しデグルデク群13.7%(比の推定値:0.91、95%CI:0.87-0.96、P<0.05)となり、どちらもデグルデク群の方が統計的に有意に小さかった。強化インスリン療法実施患者では、両群間に差はなかった。

 Meneghini氏は最後に「対象患者の生活様式や食生活は一様ではなく、残存するインスリン分泌能も患者ごとに異なるなど交絡因子が多かった。それでもBOT療法を実施する2型糖尿病患者では、デグルデクの方が血糖値の日間の個体内変動が有意に小さかった」と語った。