ベルギーCliniques Universitaires St-LlucのMichel P. Hermans氏

 脂質低下による心血管アウトカムの一次・二次予防に関する試験において、被験者のベースラインの2型糖尿病罹患率が高いほど、同アウトカム発生率は直線的に増大することが、7万人弱を対象にしたメタ解析で明らかになった。ベルギーCliniques Universitaires St-LlucのMichel P. Hermans氏らによる研究成果で、6月25日までシカゴで開催されていた米国糖尿病学会ADA2013)で発表された。

 これまでの試験から、脂質低下による心血管イベント予防に関する試験において、ベースラインに糖尿病があると、冠動脈性心疾患リスクが増大することは知られていた。Hermans氏らは、脂質低下と心血管イベントの予防に関する24の代表的な試験(被験者総数6万8028人、うち2型糖尿病は1万2909人)について、メタ解析を行った。そのうち、心血管イベントの一次・二次予防に関する試験は11(被験者総数4万640人、うち2型糖尿病は9076人)、同イベントの二次予防に関する試験は13(被験者総数2万7388人、うち2型糖尿病は3833人)だった。

 メタ解析の結果、主要評価イベント発生率(中央値)は、被験者全体で年率2.69%となった。一次予防と、一次・二次予防の試験を合わせた結果では、主評価イベント発生率(中央値)は年率2.58%、二次予防に関する試験全体では年率13.6%だった。

 ベースラインの被験者の糖尿病罹患率に注目すると、罹患率が高い程、心血管イベントに関する主要評価イベント発生率は直線的に増大した。その関係を方程式で表すと、一次・二次予防に関する試験では、「主要評価イベント発生率(年率)=0.05×(ベースライン時の2型糖尿病罹患率%)+1.92」となった。また、二次予防に関する試験では、「主評価イベント発生率(年率)=0.11×(ベースライン時の2型糖尿病罹患率%)+2.23」となった。

 Hermans氏は、脂質値にかかわらず糖尿病患者の心血管主要評価イベント発生リスクが高い理由として、「血糖値が高いことによると考えるのはあまりにもナイーブで、実際、HbA1c値が得られた試験について調べたところ、同発生リスクとは無関係だった」と前置きをした上で、「糖尿病患者は、高血圧、喫煙といった主要リスク因子や、心血管代謝に関するリスク因子も多い傾向があるからだろう」とコメントした。