オランダのMaastricht University Medical CenterのJan-Willem van Dijk氏

 昨今、血糖を正常にコントロールするには、エクササイズの実践以外にも、散歩などの日常身体活動ADL)が重要だとの指摘がある。そこで2型糖尿病患者20人を対象としたクロスオーバー研究を実施し、ADLの24時間血糖コントロールへの影響を調べたところ、1日に15分間の散歩を3回行うよりも1回45分間の持久運動の方が、日内血糖変動の改善には有効であることなどが示された。6月21日から25日までシカゴで開催されていた米国糖尿病学会(ADA2013)で、オランダのMaastricht University Medical CenterのJan-Willem van Dijk氏らが発表した。

 対象は、2型糖尿病の男性20人(平均年齢64歳、平均BMI 29.5kg/m2、平均HbA1c値6.9%)。実験プロトコルは、コントロール日(1日中座位で過ごす)、ADL日(1日座位で過ごし、毎食後15分間の散歩[3METS以下]を3回)、持久運動日(1日座位で過ごし、45分間の持久運動[6METS以下]を1回)の3日間。1週間の間隔を空けながら、この3日間のプロトコルを20人すべてが実行した。血糖値はCGMで測定した。

 日内血糖変動を見ると、1日のうちで高血糖(10mmol/L以上)状態だった時間は、コントロール日が6時間51分で、持久運動日は4時間47分と有意に減少したが(P<0.001)、ADL日はコントロール日と変わらなかった(6時間2分、P=0.67)。平均血糖値も、持久運動日はコントロール日よりも0.6mmol/L減少したが(P<0.001)、ADL日は変わらなかった(P=0.92)。

 ただし、食後の累積血糖上昇(iAUC)は、持久運動日(35%減、P<0.001)だけでなくADL日(17%減、P<0.05)も、コントロール日に比べて有意に減少した。また食後の累積血漿インスリン(iAUC)も、コントロール日に比較して、ADL日で17%(P<0.05)、持久運動日で33%(P<0.001)、いずれも有意に減少した。

 Dijk氏は、「毎食後の散歩などのADLは、食後血糖の改善には有効だったが、日内血糖変動の改善には効果が見られず、1日1回45分の持久運動が有効だった。血糖コントロールの改善には、ある程度のまとまった量の身体活動が必要なのかもしれない」と考察した。