米HealthCore社のMark J. Cziraky氏

 2型糖尿病の人は、急性冠症候群で入院後、3年後までに心血管イベントを再発するリスクが、糖尿病でない人に比べ10%程度増大することが、14万人超を対象にした後ろ向き調査で明らかになった。米HealthCore社のMark J. Cziraky氏らが行った試験で明らかになったもので、成果は6月21日から25日までシカゴで開催されていた米国糖尿病学会ADA2013)で発表された。

 Cziraky氏らは、2006年1月から2011年9月にかけて、急性冠症候群(ACS、心筋梗塞または不安定狭心症)を発症した14万903人の患者について、保険請求のデータベースであるHealthCore Integrated Researchを用い後ろ向きに調査した。被験者は、試験対象としたACS発症前12カ月間は、ACSの発症は認められなかった。

 被験者の平均年齢は66.8歳、男性は58.6%、平均追跡期間は1.9年だった。被験者の27.4%が2型糖尿病の診断を受けていた。また、高血圧症は60.4%、心不全は15.9%、腎機能障害は8.6%だった。

 ACSイベント発生から、1、2、3年後までの心血管イベント(脳卒中、心筋梗塞、冠動脈性心疾患関連の死亡)リスクと、2型糖尿病の有無について、その関連を多変量ポアソンモデルにより分析した。ベースライン時の年齢や性別、居住地域、合併症、服用薬、ACSイベントの種類と処置によって、補正を行った。

 その結果、1年以内に心血管イベントを再発した人の割合は、非糖尿病群が18.8%だったのに対し、2型糖尿病群では27.0%、3年以内ではそれぞれ21.6%と29.6%だった。

 補正後の糖尿病患者の心血管イベントリスクは、ACSによる入院後1年までで9.7%、2年までで8.4%、3年までで10.2%、いずれも2型糖尿病のない人に比べ有意に増大した(いずれもP<0.001)。

 なお、ACSによる入院以前からスタチンを服用していた2型糖尿病患者は、非服用の2型糖尿病患者に比べ、心血管イベント再発リスクが約1割減少していた。

 Cziraky氏は、ACS発症後の心血管イベント再発リスクの高い患者を特定することで、「再潅流治療の選択やリスク因子の積極的是正など、より患者に即した治療が可能で、アウトカムの改善につなげる事ができるだろう」と指摘した。