米George Washington University Medical CenterのD.Ni氏

 糖尿病前症のコホートを用いて心肺持久力(METS)と死亡率の関連を後ろ向きに解析したところ、心肺持久力が高いほど死亡率が低いことが示された。6月21日からシカゴで開催中の米国糖尿病学会(ADA2013)で、米George Washington University Medical CenterのD.Ni氏らが発表した。

 運動などのライフスタイル改善の介入により、糖尿病前症者の糖尿病発症が軽減できることについては多くの報告があるが、死亡率に関する研究は少ない。

 対象は、1995年から2010年にトレッドミルによる運動負荷試験で心肺持久力を測定した糖尿病前症の退役軍人1118人(平均年齢59歳)。

 心肺持久力は運動負荷試験で測定したピーク時のMETSにより、最低群(<5.8METS)、低群(5.8〜7METS)、中等度群(7.1〜8.4METS)、最高群(≧8.5METS)に四分位とした。平均追跡年数は7.7年で、追跡期間における死亡は251人(29.1/1000人年)だった。

 解析の結果、心肺持久力と死亡率は強い負の相関を示した(P=0.002)。心肺持久力が1METS上がるごとに、死亡リスクは13%減少した(ハザード比[HR]:0.87、95%信頼区間[95%CI]:0.81-0.94、P<0.001)。

 4群間の比較では、低群の死亡率は最低群よりも32%低く(HR:0.68、95%CI:0.50-0.94、P=0.002)、同様に中等度群は40%(HR:0.60、95%CI:0.41-0.87、P=0.007)、最高群は54%(HR:0.46、95%CI:0.30-0.70、P=0.001)、いずれも最低群よりも死亡リスクが減少した。

 Ni氏は、「糖尿病患者の増加に伴い、糖尿病前症が運動による予防的介入の新たなターゲットとなっている。今回の結果から、糖尿病前症の人たちの心肺持久力を高めることの重要性が再認識されたといえる」と話した。