米University of Southern CaliforniaのRichard M. Watanabe氏

 最近、骨代謝とメタボリックシンドロームとの関連が注目され、脂肪やオステオカルシンなどを介して骨が糖代謝において重要な役割をしている可能性が示唆されている。そこで、メキシコの糖尿病発症リスクの高い家族コホートにおいて、骨密度とメタボリック関連因子などを横断的に調べたところ、骨密度低下とインスリン抵抗性や糖代謝異常との関連が示された。6月21日からシカゴで開催されている米国糖尿病学会(ADA2013)で、米University of Southern CaliforniaのRichard M. Watanabe氏らが発表した。

 対象は、メキシコのBetaGene研究の登録家族1238人(平均年齢:35歳、平均BMI:29.5/m2、空腹時血糖:126mg/dL、女性の割合:73%)。DEXAで骨密度を調べ、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)、および経静脈ブドウ糖負荷試験(FSIGT)などを実施した。

 一般化推定方程式(GEE)で解析(体重の影響を除くために、性、年齢、体重、身長で補正)を行ったところ、骨密度とインスリン感受性は正の相関を示した(P=0.0004 )。一方、体脂肪率(%)、ウエスト周囲径、糖負荷後2時間血糖値、空腹時インスリン値、糖負荷後2時間インスリン値などは、いずれも骨密度と負の相関を示した(いずれもP<0.01)。

 さらに体脂肪率の補正も加えたところ、骨密度とこれらの糖代謝因子との関連は統計的には有意のままだったが、いずれもP値は上昇した。 

 対象者のうち792人は、血清中のカルボキシル化オステオカルシン(cOST)、および低カルボキシル化オステオカルシン(uOST)を測定した。その結果、uOSTは骨密度と有意に負の相関を示した(P<0.0001)がcOSTでは相関が見られなかったため、792人のサブグループでの解析ではuOSTでも補正を行ったところ、骨密度と糖代謝因子との間の有意な関連はわずかに弱まった。

 これらの結果を踏まえWatanabe氏は、「骨密度の低下は、インスリン抵抗性や糖代謝異常と関連することが、糖尿病を発症していないハイリスクのコホートで明らかになった。これらの骨密度と糖代謝の関連には、体脂肪が重要な役割を演じていることが示唆された。また、uOSTも骨密度と糖代謝の関連に介在していることが考えられる」などと考察した。