米University of Colorado,Anschutz Medical CampusのTeri L.Hernandez氏

 妊娠糖尿病患者を対象として、低炭水化物/高脂肪食LC/CONV)、および高複合炭水化物/低脂肪食HCC/LF)の影響を調べたところ、LC/CONVはHCC/LFに比べて、インスリン抵抗性を悪化させ、胎児肥満を増加させることが示された。6月21日からシカゴで開催されている米国糖尿病学会ADA2013)で、米University of Colorado,Anschutz Medical CampusのTeri L.Hernandez氏らが発表した。

 妊娠糖尿病患者の食事療法は、炭水化物の摂取制限に専念しがちだが、こうした方法は結果的に脂肪摂取が増加することが少なくない。しかし脂肪の過剰摂取は、インスリン抵抗性の増大を招き、胎児肥満が増加する可能性がある。

 そこで、LC/CONVおよびHCC/LFの糖代謝や胎児への影響を調べるために、患者特性を揃えた11人の妊娠糖尿病患者(平均BMI:33.5kg/m2)を対象に無作為比較試験を実施した。

 LC/CONV群5人(炭水化物45%、脂質45%、蛋白質15%)と、HCC/LF群6人(炭水化物60%、脂質25%、蛋白質15%)はどちらも総カロリーは同じで、炭水化物の82%は複合炭水化物とし、すべての食事は対象者に提供された。

 試験の結果、37週後の空腹時血糖(P=0.007)、空腹時インスリン(P=0.06)、HOMA-IR(P=0.02)は、HCC/LF群と比較してLC/CONV群の方が高値だった。それらの値はいずれもベースライン時より上昇していた。

 バイオプシーで採取した脂肪細胞におけるインスリンの脂肪分解の抑制は、HCC/LF群と比較してLC/CONV群で小さかった(32% 対 59%、P=0.05)。

 新生児の体脂肪は、HCC/LF群と比較してLC/CONV群で高い傾向が見られた(14%対11%)。

 また全対象者において、37週時の空腹時インスリン、HOMA-IRがそれぞれ高いほど、新生児の体脂肪率は高かった(r=0.694、r=0.733、それぞれP<0.05)。

 Hernandez氏は、「今回の結果では、HCC/LFと比較してLC/CONVはインスリン抵抗性を悪化させ、新生児の体脂肪を増加させる可能性があることが示された」と結論。その上で「複合炭水化物が多く脂肪が少ない食事の方が、妊娠糖尿病患者のインスリン抵抗性を軽減し、胎児の体脂肪が増加しにくい可能性が示唆された。これらの結果を確証するには、さらなる研究が必要だ」と話した。