チェコInstitute for Clinical and Experimental MedicineのHana Kahleova氏

 2型糖尿病患者に摂取カロリーを制限する食事療法を行う場合、1日に摂取する総カロリーと主要栄養素の量が同じであれば、1日2食の方が1日6食よりも体重、空腹時血糖、血中C-ペプチドが減少するという成績が得られた。チェコInstitute for Clinical and Experimental MedicineのHana Kahleova氏が、6月12日までフィラデルフィアで開催された第72回米国糖尿病学会(ADA2012)のポスターセッションで発表した。

 2型糖尿病患者にカロリー制限を行う場合、血糖上昇やインスリン放出の抑制を狙って、1日の所要カロリーと栄養素を多くの回数、例えば1日6回に分けて摂取するように指導するという考え方がある。しかし、Kahleova氏らの結果は逆に1日2食の方が有効という成績であり、どちらが妥当か今後議論になりそうだ。

 Kahleova氏らは、2型糖尿病患者54人を対象に、1日摂取カロリーを500kcal減らした低カロリー食を1日6回に分けて摂取させるレジメンと、1日2回に分けて摂取させるレジメンをそれぞれ12週間ずつ行うクロスオーバー研究を実施した。どちらのレジメンも、1日の総カロリー量と主要栄養素の量は同じになるようにした。試験後に、体重、HbA1c、空腹時血糖、血中C-ペプチド、免疫反応インスリンおよび血中脂質に対する影響を2×2クロスオーバー分散分析によって評価した。

 患者背景は、平均59.4歳、女性46%、糖尿病の平均罹病期間8.1年、喫煙歴19%、平均体重94.1kg、平均BMI 32.6、平均HbA1cが54.9mmol/mol(IFCC)だった。

 その結果、食事療法後の体重は両群ともベースラインより減少したが(P<0.001)、減少幅は1日2食レジメンの方が大きかった(1日6食は-2.3kg;95%信頼区間-2.7〜-2.0、1日2食は-3.7kg;-4.1〜-3.4、P<0.001)。

 空腹時血糖値は両群とも減少したが(P<0.001)、減少幅はやはり1日2食レジメンの方が高かった(1日6食は-0.47mmol/L;-0.57〜-0.36、1日2食は-0.78mmol/L;-0.89〜-0.68、P=0.004)。

 血中C-ペプチドは両群とも低下し(P<0.001)、1日2食レジメンの方が低下幅が大きかった(1日6食は-0.05nmol/L;-0.09〜-0.01、1日2食は-0.14nmol/L;-0.18〜-0.10、P=0.05)。

 一方、Hb1Acは両方とも低下した(P<0.001)が、両群間に有意差は認められなかった(1日6食は-0.23%;-0.27〜-0.19、1日2食は-0.25%;-0.29〜-0.20、P=0.08)。血漿中の免疫反応性インスリン、トリグリセリドおよびLDL-コレステロールの濃度は両群とも低下し、低下幅に有意差はみられなかった。総コレステロールおよびHDLコレステロールについては両群とも有意な変化はみられなかった。

 Kahleova氏は、以上のデータを示した上で、「我々の今回のデータは、2型糖尿病患者に対する食事療法は、1日に摂取するカロリーと主要栄養素の量が同じであれば、1日2食の方が1日6食よりも有効な可能性を示している」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)