デンマークSteno糖尿病センターのHeidi Storgaard氏

 糖尿病治療のために来院した2型糖尿病患者のうち、34%が閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)を合併しているにもかかわらず診断されていない実態が報告された。また、OSAを合併している2型糖尿病患者では、合併していない患者と比べ、有意にBMIが高値でHDLコレステロール低値であることが示された。デンマークSteno糖尿病センターのHeidi Storgaard氏が、6月12日まで米国フィラデルフィアで開催された米国糖尿病学会(ADA2012)で発表した。

 OSAは、心血管疾患のリスクを上昇させる因子として考えられている。また、OSA患者は、OSAを合併していない人に比べ、有意に2型糖尿病有病率が高いことが報告されている。

 Storgaard氏は、2型糖尿病患者におけるOSA有病率のほか、OSAを合併した2型糖尿病患者の臨床的特徴について検討した。

 対象は、2010年9月から2011年6月にSteno糖尿病センター2型糖尿病クリニックを受診した180人。まず、ベルリン質問票のスコアから、OSAの可能性が高い患者123人を抽出。ApneaLinkモニタリングの実施に同意した106人のうち、無呼吸低呼吸指数(apnea and hypopnea index)が1時間あたり5以上だった72人を睡眠クリニックに紹介し、54人に睡眠ポリグラフ検査を実施した結果、46人がOSAと診断され、OSA合併率は34%と推定された。ベルリン質問票は、いびきの自覚症状や他人からの指摘、起床時の疲労感や日常の眠気などを聞く質問票。また、ApneaLinkは、自宅で睡眠時の呼吸を測定するポータブル装置のこと。

 ベルリン質問票を回答した患者全体(180人)の背景は、男性比率が6割弱、年齢が約60歳、糖尿病罹病期間が゙8〜9年間だった。
 
 そのうち、OSA患者(64人)と非OSA患者(113人)の背景を比較すると、有意差が見られたのはHbA1c値(7.6% 対 7.2%)、Cペプチド濃度(1190pmoL/L 対 842pmoL/L)、BMI(34.4kg/m2 対 29.9kg/m2)、身長(1.75m 対 1.72m)、体重(105.9kg 対 88.4kg)、HDLコレステロール(1.1mmol/L 対 1.3mmol/L )だった。網膜症発症率、神経症発症率、血圧、治療薬(スタチン、RA系阻害薬、インスリンなど)の使用率、LDLコレステロール値には有意差はなかった。

 さらに多変量解析した結果、OSA合併を予測する因子として、BMI、HDLコレステロールが有意な因子として抽出された。

 今回の結果からStorgaard氏は、「2型糖尿病患者では積極的にOSAを診断し治療することが必要で、OSAを治療することで心血管疾患による死亡を減らせるのではないか」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)