第72回米国糖尿病学会学術集会(ADA2012)が6月8日、初夏の日差しも眩しい米フィラデルフィアで開幕した。糖尿病の診療および研究に携わる1万3000人あまりの医療関係者が世界中から参加。12日までの5日間にわたって臨床試験の成果や治療の新規ターゲットなど最新の臨床知見から、糖尿病患者への指導や予防教育のあり方まで、多彩な議論が展開される。

 今大会では91のシンポジウム、50の一般口演セッション(378件)のほか、2000件を超えるポスター発表、145件の「Late-Breaking posters」などが予定されている。抄録件数は昨年の大会を上回る規模となった。

フィラデルフィア市庁舎近くの広場にあるLOVEの彫刻が会場にも。

 大会の目玉である最終日のセッション「Late Breaking Abstrats」での発表は8演題。UKPDSの追跡調査で見られた“legacy effect”の背景を探る新しい解析研究、1型糖尿病の小児における皮膚中の最終糖化産物(AGE)のレベル、糖尿病治療の新規ターゲットに結びつきそうな動物実験2題などが紹介される。

 糖尿病患者は米国だけで2600万人。未診断糖尿病患者は700万人、糖尿病前症となると7900万人にも上り、多くの人が2型糖尿病のリスクに気づいていないと見られている。それとともに、糖尿病の予防策の実効性を高め、診断や治療に関連する費用をいかに抑えるかも緊急課題になっており、今大会でも大きな話題の1つになっている。

(日経メディカル別冊編集)