Wake Forest大学のRichard Bergenstal氏

 夜の高血糖と朝の低血糖の予防が重要であることが、ACCORD試験自己モニター血糖値の解析から明らかになった。2008年に発表されたACCORD試験では、標準療法群と比較してHbA1cを正常値にすることを目標とした強化療法群で2型糖尿病患者の死亡率が増加することが示された。今日までACCORD試験での血糖管理については、HbA1c値、空腹時血糖値および報告のあった重度の低血糖症で特徴付けられてきた。Wake Forest大学のRichard Bergenstal氏(写真)らは、今回初めて血糖管理の自己モニター血糖値SMBG)を解析し、その結果を6月24日から28日まで米サンディエゴで開催された米国糖尿病学会(ADA2011)のセッション「Late Breaking Clinical Studies」で発表した。

 演者らは、少なくとも180日間のSMBGデータがあるACCORD参加者のデータを収集した。1万251人の登録者の中で、ACCORD試験参加施設77カ所のうち50カ所の4332人のデータを抽出し分析した。ACCORDのSMBGコホートの患者背景は、適切なSMBGデータを持たない5919人と比べても臨床的になんら違いはなかった。

 解析の結果、SMBGコホートは平均2年間のSMBGデータがあり、強化療法群で1日当たり2.7±1.1回、標準療法群で2.0±0.8回(p<0.0001)の血糖値の検査を行っていた。また、平均SMBG血糖値は、強化療法群で124.9±22.8mg/dL、標準療法群で156.8±23.7mg/dLと強化療法群が有意に低かった(p<0.0001)。24時間のSMBGの推移をみると、強化療法群は全ての時点において、標準療法群より血糖値が低かった(p<0.0001)。強化療法群と標準療法群のSMBGのパターンは、午前4-6時で最低値、夜遅い時間で最高値を示し、両群で似ていた。

 また、強化療法群では標準療法群に比べ70mg/dL以下の値が3倍、140mg/dL以上の値が半分あることも分かった (p<0.0001、両方とも)。

 結論として、ACCORD試験におけるSMBGデータは、強化療法群の方が標準療法群に比べて、より多い回数でモニターしていた。また、SMBG値の平均が低く、頻度としては8.2%と少ないものの70mg/dL以下の値が標準療法群の2.6%より有意に多かった。演者らは、これらの結果から「24時間血糖値プロファイルは、夜の高血糖と朝の低血糖の予防が重要であることを示している」と結論した。その上で「ACCORD試験のSMBGデータをさらに解析することは、試験のアウトカムを理解するのに役立つであろう」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)