ドイツMergentheim 糖尿病センターのThomas Haak氏

 血糖コントロール不十分2型糖尿病患者に対するリナグリプチンメトホルミンの併用療法は、それぞれの単独療法より有効であることが示された。無作為化二重盲検フェーズ3試験の成果で、ドイツMergentheim 糖尿病センターのThomas Haak氏(写真)らが、6月24日から28日まで米サンディエゴで開催された米国糖尿病学会(ADA2011)で発表した。

 リナグリプチンは、DPP-4阻害薬の1つで、xanthineを基本とする構造を持つため、DPP-4酵素の活性部位に直接働くという特徴がある。現在、何種類かの第III相臨床試験が終了し、評価を受ける段階にある。今回の併用療法と単独療法の比較もその1つ。

 試験では、HbA1cが7.5%以上かつ11%未満の2型糖尿病患者を対象とし、リナグリプチン(LIN)2.5mg(1日2回)+メトホルミン(MET)500mg(1日2回)または1000mg(1日2回)の併用投与群と、それぞれの単独療法群(LIN5mg1日1回とMET500mgあるいは1000mg1日2回)の5群およびプラセボ群について、治療効果を比較検討した。各群の患者数は、LIN2.5+MET500群(137人)、LIN2.5+MET1000群(140人)、LIN単独群(135人)、MET500単独群(141人)、MET1000単独群(138人)、プラセボ群(65人)だった。登録時の患者背景は、この群間でほとんど差がなかった。

 24週間にわたる試験の結果、プラセボ補正後の平均HbA1c値の登録時からの変化を見たところ、LIN2.5+MET500群で-1.3、LIN2.5+MET1000群で-1.7であったのに対し、LIN単独群では-0.6、MET500単独群では-0.8、MET1000単独群では-1.2だった。LINとMETの併用療法は、それぞれの単独療法より有意に減少していた(p<0.0001)。

 試験では体重増加についても見ているが、併用療法において体重増加は認められず、低血糖リスクも併用群では5例(1.8%)と低水準だった。

 なお、登録時にHbA1cが11%を超えるほど非常に血糖コントロールが不十分な症例については、LIN2.5+MET1000mg(1日2回)治療を行うオープンラベル試験を行った。その結果、登録時から24週間後にはHbA1cが-3.7と大幅な改善が見られている。

 これらの結果から演者らは、「血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者に対する、リナグリプチンとメトホルミンの併用療法は単独療法より優れていた」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)