米国では妊娠糖尿病の罹患率が全妊婦の2−9%を占めるとされ、中でもアジア系妊婦では高率にみられることが知られている。出身国別の罹患率について、北部カリフォルニア在住の妊婦約7800人のデータを基にした新たな研究で、ベトナム系が11.9%と最も高く、逆に日系人は最も低いことが明らかになった。米カリフォルニア州立大学サンノゼ校看護学准教授のDeepika Goyal氏らが、6月24日から28日まで米サンディエゴで開催された米国糖尿病学会(ADA2011)で報告した。

 Goyal氏らは、73万人の患者を擁する北部カリフォルニア医療保険会社の保健医療データベース(EHR)の記録を基に分析を行った。対象は、アジア系米国人のうち、インド系(1264人)、中国系(1160人)、フィリピン系(347人)、日系(124人)、韓国系(183人)、ベトナム系(147人)の6群(計3225人)とし、非ヒスパニック系白人(4582人)と比較した。

 登録条件は、出産時に18〜45歳で2007年1月〜2010年6月30日に単児出産した女性で、多児出産例と2型糖尿病の既往者は除外した。

 結果は、非ヒスパニック系白人の妊娠糖尿病罹患率が3.2%だったのに対し、アジア系全体では7.3%と2倍を超え、有意に多かった(p<0.05)。出身別ではベトナム系が11.7%と最も罹患率が高く、以下、インド系7.8%、中国系7.3%、フィリピン系6.1%、韓国系4.9%で、日系は最も低く4.0%だった。日系と韓国系は非ヒスパニック系白人との有意差が認められなかった。

 非ヒスパニック系白人を1とした妊娠糖尿病の年齢調整済みオッズ比は、ベトナム系が3.92(95%信頼区間:2.30-6.67)、インド系が2.76(同:2.11-3.61)、中国系が2.26(同:1.72-2.99)、フィリピン系が2.01(同:1.25-3.22)、韓国系が1.52(同:0.76-3.03)、日系が1.15(同:0.46-2.87)で、アジア系全体では2.39(同:1.93-2.95)だった。

 日系人と韓国人がなぜ他のアジア系よりも罹患率が低いかは興味深いところで、Goyal氏も、アジア系で妊娠糖尿病が多い原因とリスク因子の解明は今後の課題だとしていた。

(日経メディカル別冊編集)