米CDCのPing Zhang氏

 体系的生活様式介入2型糖尿病の予防と管理に効果があるが、そのプログラムを実施する費用については十分に検討されているとは言えない。生活様式介入および標準的なケアにかかる費用について、Look AHEAD研究において4年間の費用を試算した結果、参加者当たりの平均費用の合計は、初年度に3175ドル、2年度目に1760ドル、3年目に1214ドル、4年目に1176ドルとなった。米CDCのPing Zhang氏(写真)らが6月28日まで米サンディエゴで開催されていた米糖尿病学会(ADA2011)で発表した。

 Look AHEAD研究は、米糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK;National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases)が手掛けている多施設の無作為臨床試験。2型糖尿病患者で体重過多あるいは肥満の成人5145人を対象に心血管事象を減少させることを目的に、糖尿病の教育プログラム(DSE)と比較して徹底した生活様式介入(ILI)の長期効果を調査している。

 今回の検討では、ILIとDSEの最初の4年間に、参加者にかかる介入費用を試算した。本研究に携わるスタッフを対象に、グループセッション (ILIとDSE)、個人セッション (ILI)、および全てのセッションの通知に関して、それぞれにおいて介入に関わった医療従事者の職種と時間についてアンケート調査を行った。なお、今回の研究に関する費用は、対象外とした。

 典型的な訪問における診療所特有の医療従事者の費用平均(ACPTV)は、給与データ用に申告された所用時間をもとに計算した。それぞれの参加者に対する年間介入医療従事者費用は、ACPTVと1年間に訪問参加した回数との積として試算した。また、それぞれの参加者に対する従事者の介入費用の合計は、その参加者の費用の構成要素の和とした。

 試算の結果、2007年時点の米ドルで計算したところ、Look AHEAD介入実施に関わる費用は以下となった。ILIの個人訪問にかかる費用に関しては、1回の訪問平均費用は初年度143ドル、2年目147ドル、3年目111ドル、4年目97ドルだった。個人訪問に関する参加者当たり平均費用は、それぞれ1831ドル、1466ドル、956ドル、825ドルだった。グループ訪問の参加者当たり平均費用は、1344ドル、1760ドル、1214ドル、1176ドルとなった。結局、ILIの参加者当たり平均費用の合計は、3175ドル、1760ドル、1214ドル、1176ドルだった。一方のDSEは、参加者当たりの平均費用の合計は、83ドル、64ドル、65ドル、72ドルだった。

 Zhang氏は「今回の試算結果は、ILIの効果と組み合わせることで、ILIの費用対効果の評価に役立つであろう」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)