HealthPartners(米国ミネソタ州ミネアポリス)のO' Connor Patrick J氏

 うつは、2型糖尿病患者において総死亡率増加の独立した予測因子であり、大血管系のイベントの発症を増加させる可能性もあることが、ACCORD血圧試験のサブ解析で明らかになった。6月24日から米サンディエゴで開催されている米国糖尿病学会(ADA2011)で、Health Partners(米国ミネソタ州ミネアポリス)のO' Connor Patrick J氏(写真)らが発表した。

 対象者は、ACCORD血圧試験の対象者7583人のうち、健康関連のQOL(HQOL)に関する解析を行った2053人。うつ状態を調べる9項目の質問からなるPHQ-9による評価を、登録時、1年後、3年後、4年後に行った。

 評価のスコアにより、うつ状態は、(1)PHQ>10、(2)Major Depression(スコア2以上の症状が5つ。そのうちの1つは気分の落ち込み、または楽しさの喪失)、(3)Minor Depression(スコア2以上の症状が3〜4つ、 そのうちの1つは気分の落ち込み、または楽しさの喪失)の3つに分類した。

 解析の結果、補正後の総死亡率は、PHQ>10(HR=1.84、95%信頼区間:1.17−2.89)と、Major Depression(HR=2.24、95%信頼区間:1.24−4.06)のいずれにおいても有意に増加した(いずれもp<0.008)。

 Major Depressionにおいては、ACCORD血圧試験の大血管系の評価項目(心臓血管死、致命的ではない心臓発作や脳卒中、うっ血性心不全)も、統計的に有意な関連を示すには至らなかったが増加の傾向が認められた(HR=1.42、95%信頼区間:0.99−2.04、p<0.055)。

 O' Connor Patrick J氏は、「うつは、2型糖尿病患者において総死亡の有力な予測因子であることが分かった。患者のうつを見逃さずに、適切な管理を行うことはとても重要だろう」と話した。

(日経メディカル別冊編集)