イタリア・Consorzio Mario Negri SudのAntonio Nicolucci氏

 インスリン治療を必要としない2型糖尿病患者においては、血糖自己測定SMBG)と集中教育が有効であることが示された。26週間の予備的なランダム化比較試験「ROSES」によって明らかになったもので、イタリア・Consorzio Mario Negri SudのAntonio Nicolucci氏(写真)らが6月25日から29日まで米オーランドで開催されている第71回米国糖尿病学会学術集会(ADA 2010)で発表した。

 演者らは、インスリンを必要としない2型糖尿病患者に関して、SMBGの有効性を裏付ける証拠は明確になっていないとの判断から、26週間のROSES試験に取り組んだ。
 
 経口薬治療を受けていてSMBG未実施の2型糖尿病患者を対象に、集中教育を伴うSMBGの有効性を評価するため、SMBGを実施し標準的治療を行うSMBG群と、SMBGを実施せずに標準的治療を行うSC群間で比較検討した。

 集中教育プログラムは、3カ月ごとに行う対面懇談と月1回の電話相談の結果に基づいて実施された。具体的には、患者に対し、SMBGの実施方法、血糖値に応じて食生活と身体的活動レベルを変える方法、異常値が出た場合の対応について指導した。電話相談の際、前もって指定したアルゴリズムに基づいて、治療目標に達しない場合には治療計画または用量を変更した。一方のSC群では、標準的な教育、生活スタイルについてのアドバイス、3カ月ごとのフォローアップを実施した。薬物治療は、両グループでHbA1c値<7.0%を目標に実施された。HbA1cの変化を有効性評価の主な目安とし、階層線形モデルを使って分散分析を行った。

 対象となった患者は63人(SMBG群46人、SC群16人)。ベースライン時の患者特性(SMBG群 対 SC群)は、HbA1c値7.9±0.6% 対 7.9±0.6%、年齢48.9±0.5歳 対 48.7±0.6歳、糖尿病の罹病期間3.3±3.5年 対 3.2±4.4年、BMI 31.8±4.8 対 30.2±3.9、腹囲107.5±11.1cm 対 106.4±12.1cmだった。

 6カ月後の指標をみると、HbA1cはSMBG群で6.69%、SC群で7.15%であった(両群の差は−0.52、p=0.03)。HbA1c<7%未満を達成した患者の割合は、SMBG群で59.5%、SC群で20.0%とSMBG群の方が有意に多かった(p=0.009)。

 BMIと腹囲は、SMBG群で減少(それぞれ−1.4±0.6、p=0.025、−3.5cm±1.4、p=0.014)したが、SC群では有意な変化は生じなかった。調査期間中、有害事象は生じなかった。

 こうした結果から演者らは、「SMBG+集中教育に基づく介入は、糖尿病のコントロールを有意に改善する」とまとめた。また、「今後、より大規模の無作為化試験として実施されることになる」と話した。