1万3000人以上の糖尿病診療に携わる医療関係者が集うADA

 第70回を迎えた米国糖尿病学会学術集会(ADA 2010)が6月25日、快晴の米オーランドで開幕した。1万3000人以上の糖尿病診療に携わる医療関係者が集う大会には、日本からの参加者も多く、29日までの5日間、臨床試験の成果をはじめ、臨床上の課題や糖尿病指導のあり方など、多岐にわたるテーマについて議論が展開される。

 今回注目されるのは、昨年の学会で糖尿病診断の新たな指標としてADAが推奨したHbA1c値の活用が、どこまで浸透しているかだろう。診断基準としてだけでなく、予防介入の指標あるいは関連疾患のリスク予測因子としての位置づけなどに関しての発表が予定されている。

 また、新たな糖尿病薬であるDPP-4阻害薬やGLP-1受容体作動薬の関連演題や、インスリン治療の新しい局面に関する発表も目立つ。さらに、SGLT-2阻害薬をはじめとする次世代の糖尿病薬やあるいは抗肥満薬についての最新知見も報告される見通し。もちろん、糖尿病診療の基本である運動療養や食事療法のほか、糖尿病指導や教育の工夫などをテーマとした発表も数多い。

 米国だけでも2400万人と言われる糖尿病患者がおり、年間23万人もの人がこの病気で命を落としている。糖尿病の診断や治療には174億円以上を費やしているとする推計がある一方、妊娠糖尿病や糖尿病前症、診断に至っていない糖尿病などを加えると、218億円以上に膨れ上がるともされる。これだけの医療費をどのようにして抑えていくかは、世界的にみても緊急課題の1つになっており、政策としてどのように取り組むべきなのかの議論も予定されている。

 最終日には、STAR 3、HELP PD、BARI 2Dなどといった臨床試験の成果を議論するセッション「Late Breaking Studies」があるほか、厳格な糖尿病管理の効果に否定的な成績となったACCORD試験をめぐって、さまざまな角度からの討論を展開するシンポジウムも組まれている。

 大会事務局によると、今大会では92のシンポジウム、49の一般口演セッション(384件)のほか、1572件の一般ポスター発表、123件もの「Late-Breaking posters」などが予定されている。

(日経メディカル別冊編集)