EPADHAなどを補充した低脂肪食によってメタボリックシンドロームのリスクを減らせることが分かった。アルゼンチンReina Sofia大学病院のJuan Antonio Paniagua氏らが6月6日、ニューオーリンズで開催中の第69回米国糖尿病学会ADA2009)のポスターセッションで発表した。

 メタボリックシンドローム(MetS)は、高血糖、脂質異常、腹部肥満、高血圧を特徴とする。多くの先進国ではMetSの患者が増えつつあり、2型糖尿病と心血管疾患のリスクが増大している。

 演者らは、こうした問題認識の下で、MetSの予防を目的とした「LIPGENEプロジェクト」に取り組み、脂肪の量と質が異なる4種類の食事療法の効果を調べた。

 ヨーロッパの8カ所で、国際コレステロール教育プログラム(NCEP)のMstS評価基準のうち3つ以上が該当する337人のボランティアを対象に試験を行った。

 試験では参加者を、以下の4種類の食事療法のいずれか1つに無作為に割り付けた。(1)飽和脂肪に富む高脂肪食(HFSFA食群、86人)、(2)一価不飽和脂肪に富む高脂肪食(HFMUFA食群、92人)、(3)1.24g/日の超長鎖n-3多価不飽和脂肪酸を補充した低脂肪高複合炭水化物食事療法(LFHC n-3食群、81人)、(4)超長鎖n-3多価不飽和脂肪酸を補充しない低脂肪高複合炭水化物食事療法(LFHC対照群、78人)。

 食事療法は12週間続けられた。食事はすべて等カロリーで、いずれの介入期間中にも身体活動に変化はなかった。食事療法の評価は、介入前と後にMetS評価基準のタイプとその数を記録することで行った。

 開始前、参加者の100%がMstSの評価基準を満たした。3つの基準を満たした人は40.4%、4つは38.6%、5つも21%だった。腹囲(男性>102cm、女性>88cm)は参加者の94.4%、高血圧は88.4%、空腹時血糖値(≧5.6 mmol/L)は51.3%、トリアシルグリセロール(≧1.7 mmol/L)は51.3%、HDLコレステロール(男性<1.0 mmol/L、女性<1.3 mmol/L)は72.7%が満たしていた。

 開始時に、これらの要因はランダムに分布し、食事療法の間に有意な差はなかった。

 介入の結果、MetSの割合は、HFSFA食群で12.3%、HFMUFA食群で12.0%、LFHC対照群で10.3%だったのに対し、LFHC n3食群では25.0%減少した(p<0.05)。

 これらの結果から演者らは、「EPAやDHAなどに代表される超長鎖n-3多価不飽和脂肪酸を補充した低脂肪食は、高脂肪およびLFHC食と比較してメタボリックシンドロームのリスクを有意に減らした」と結論した。