コンピューターを利用した評価ツールが、糖尿病の自己管理に有用であることが示された。6月6日、ニューオーリンズで開催されている第69回米国糖尿病学会(ADA2009)のポスターセッションで、米・Baystate Medical CenterのGarry Welch氏が発表した。

 評価ツールの名は「Diabetes Self Care Profile(DSCP)」。いわばインターネット上に、患者ごとの自己管理プロファイルを設ける仕組みだ。当然ながら、緊急性の低い、初期の糖尿病患者を対象としている。患者は、自身のBMIや服用している薬、さらに日々の食事や運動、血糖自己測定、インスリン療法などについて、各自の目標や自己評価を記入していく。記入時間は平均10分で容易に取り組める。

 たとえばHbA1c値は、患者が入力する数値にあわせ赤や黄などに色分けされ、高血糖の場合には「目や腎臓、心臓、足、神経に障害をもたらすので一刻も早く改善を!」とメッセージを表示するなど工夫が施されている。

 Welch氏らは、DSCPの効果を検証するため、診断されてから半年以上経過している2型糖尿病患者58人(女性63.8%、平均年齢57.2歳、平均罹病期間7.0年)を登録し、6カ月間の介入試験を行った。DSCPの計4回の教育セッションのうち、初回への導入を行ったところ、患者の平均参加回数は3.5回だった。

会場のあちこちに、ニューオーリンズの復興を願うADAの心配りが目立つ

 試験前後での変化をみると、BMIが−0.8、HbA1c値が−1.0といった数値の改善を認めたほか、糖尿病治療に伴う苦痛−10.6、自己評価+10.8、といった心理面での満足も得られた。

 Welch氏は、「DSCPは糖尿病患者の自己管理をサポートするツールとして期待が持てる。コンピューターを利用しているため、このツールをより使いやすくするための様々な工夫が容易に行える。インターネットを使用できる医師であればだれでも利用可能なため、将来性も高いと考えている」と、DSCPの有用性を強調した。