糖尿病予防プログラム(DPP)に基づく積極的な生活様式への介入は、糖尿病を予防するだけでなく、心血管疾患リスクをも軽減できることが示された。米モンタナ州保健福祉省Helen A. Amundson氏らが6月6日、ニューオーリンズで開催されている第69回米国糖尿病学会ADA2009)の一般口演で発表した。

 モンタナ州では2008年から糖尿病プロジェクト(MDP)を実施し、糖尿病や心血管疾患のリスクの高い成人の生活様式をコーチするためのスタッフのトレーニングを行ってきた。コーチスタッフは4カ所の医療施設からの参加者で、DPPに基づく積極的な生活様式への介入を実施するためのトレーニングを受けた。

 介入の被験者は、糖尿病あるいは心血管疾患のリスクの高い成人(355人)。かかりつけ医の健康診断を受けた上で、太り過ぎでかつ、(1)糖尿病予備軍、(2)妊娠性糖尿病の既往があるか9lbs(ポンド、4000g)以上の乳児を出産したことがある、(3)高血圧、(4)性別に似合わない低HDLまたは中性脂肪が200mg/dl以上−−の4項目のうち1つ以上を満たす人が被験者として登録された。

 被験者に対しては、食事と運動量の改善に取り組む用意があるかどうかを評価し、試験参加の意欲を明記した契約書への署名を求めた。また、(1)脂肪の摂取を減らすこと、(2)運動量を増やすこと(150分/週以上)、(3)7%の減量を達成すること−−の目標を設定した。

 その結果、355人の被験者のうち293人(83%)は、16週間からなるコアカリキュラムを完了した。被験者の平均年齢は53.6±9.7歳、20%が男性で、試験開始時の平均体格指数は35.9kg/m2±6.5だった。

 プログラムを終了した被験者は、コアカリキュラム終了時には平均6.7±4.0kg、つまり開始時の体重の6.7%の減量を達成した(p<0.0001)。45%は目標の7%減量を達成し、67%は5%減量を達成した。

 多変量解析において、目標の7%減量達成に関わっていた独立因子を探索したところ、(1)年齢60歳以上、(2)医師によって高血圧と診断された人、(3)食事中の脂肪量の自己管理の頻度を上げた人、(4)運動量を増やす目標を達成した人−−などが浮かび上がった。

 なお、減量の成績は4施設の間で同様であった。適当な参加料を取った施設と取らなかった施設があったが、その間で減量の達成度に違いはなかった。

 これらの結果から演者らは、「糖尿病と心血管疾患リスクの高い人を認定し、16週間のDPPによる生活様式介入法に参加させ、続けさせることは容易だった。また、コーチスタッフは生活様式改善のために有用であり、被験者は短期間で減量と運動量の目標を達成できた」とし、積極的な生活様式への介入の意義とその成果を強調した。