1型糖尿病患者において、血糖管理が不十分の場合に炎症マーカーの上昇とレプチンの抑制がみられることが分かった。SEARCH CASE-Control Studyの結果から明らかになったもので、米コロラド大のJanet K Snell-Bergeon氏らが6月5日、ニューオーリンズで開催されている第69回米国糖尿病学会ADA2009)の一般口演で発表した。

 軽度の炎症は、長期療養中の1型糖尿病患者によく見られる病態であり、合併症の発症にも寄与していることが知られている。演者らは、1型糖尿病の若い患者と糖尿病を持たない被験者を対象に、炎症マーカーの比較を行い、さらに1型糖尿病患者では、炎症マーカーの上昇が血糖管理の悪化と関係があるかどうかを検討した。

 対象は、サウスカロライナ州とコロラド州のSEARCH CASE-Control Study参加者のうち、1型糖尿病患者(575人、男性51%、平均年齢15歳、年齢幅8〜23歳)、平均罹患期間4.3年)と糖尿病を持たない者(215人、男性40%、平均年齢15歳、年齢幅10〜22歳)。それぞれの対象者のインターロイキン6(IL-6)、C-反応性タンパク質(hsCRP)、フィブリノーゲンおよびレプチン濃度などを測定した。

 解析では、糖尿病の有無あるいはHbA1cレベルで分けた4群(HbA1c<7.2、HbA1c7.2〜<8.3、HbA1c8.3〜<9.3、HbA1c≧9.3)間で、炎症マーカーの値の差を重回帰分析により検証した。

 その結果、対照群と比較して、青少年の1型糖尿病患者では血糖管理レベル別にみた4群すべてで、IL-6値とフィブリノーゲン値が高かった。ただし、hsCRP値は、HbA1cが一番高い「≧9.3%群」で有意に増加が見られた(p<0.001)。また、血糖管理の悪化は、有意にフィブリノーゲン値の上昇(p trend=0.037)とレプチン値の低下(p trend<0.0001)に関係していた。有意ではないが、hsCRPで上昇傾向が見られた。

 これらの結果から演者らは、「1型糖尿病の患者では、血糖管理が不十分であると、炎症マーカーの上昇とレプチンの抑制をもたらすことが分かった」と結論した。軽度の炎症は、若い1型糖尿病患者にみられる特徴の1つと考えられているが、この炎症は肥満、思春期の発達段階などとは無関係だったとも考察した。なお、青少年の1型糖尿病患者の炎症(マーカー)の上昇が何に起因し、その後の結果がどうなるかについては、今後の研究の課題だとした。