現在、ニューオーリンズは6月4日の午後11時過ぎです。さきほどまで稲光が夜空を騒がしていましたが、今は落ち着いています。いよいよ米国糖尿病学会(ADA2009)が6月5日、当地で開幕します。

 今回で69回目となる年次集会は、見所満載です。新しい糖尿病診断基準について、ADAの見解が発表されるとの観測です。また、大規模臨床試験であるBARI-2Dの結果、さらにACCORDやVADTの新しい解析結果が発表される見通しです。

 ADAとWHOは新たな診断基準について検討に着手しています。それぞれが、診断基準にHbA1cを取り入れる方向で検討しています。ADAはすでに、診断基準におけるHbA1c の活用について専門家委員会(David Nathan委員長)を設置し、2009年3月末に報告書の第一次案を作成しました。一方、WHOは2009年3月末に、ジュネーブで糖尿病の診断基準についての専門家会議を開催、診断基準にHbA1cを取り入れるための議論をスタートさせています。

 それぞれHbA1cを診断基準に取り入れる根拠は、(1)糖尿病の基本的概念である持続性高血糖は、空腹時血糖値や食後2時間血糖値では代表できず、現行の指標の中ではHbA1cが最も適切である、(2)HbA1cの測定は、空腹時採血や負荷試験を必要としない、(3)現行の治療目標はHbA1cに基づいており、診断でもHbA1c を使った方が診断と治療の間に連続性が認められる−−などです。

会場となる「Ernest N. Morial Convention Center」

 今後については、ADAは、HbA1c6.5%以上を糖尿病の診断基準とする方向にあり、第69回のADA学術集会で公表される可能性があるということです。また、その前提となるHbA1cの標準化の問題も議論のテーマとなっています。

 このほか、糖尿病治療をめぐる最新知見の発表も目白押しです。日経メディカル オンラインでは、学会会場から最新情報を発信するサイトを立ち上げました。会員の方には、メールマガジンでも最新情報をお届けします。ご期待ください。