GLP-1アナログ製剤エクセナチドを4年間近く長期にわたり投与しても、血糖降下作用は変わらず、かつ、他の心血管リスクの低減効果もあることが明らかになった。米国サンディアゴ大学のDavid Kendall氏が、第67回米国糖尿病学会のポスターセッションで発表した。

 試験の対象となった151人の糖尿病患者(平均年齢57歳、平均BMI33kg/m2、平均体重100kg)はいずれも、ビグアナイド薬のメトホルミンとスルホニル尿素(SU)剤の両方もしくはどちらかを服用していた。これらの薬剤にエクセナチドを追加する形で、2段階の研究が行われた。

 まず、エクセナチド5μg、10μg、プラセボのいずれかを30週間投与する試験が行われた。その後、全群に4週間エクセナチド5μgが投与され、続いてエクセナチド10μgが182週間まで投与された。182週間に、有害事象がみられた患者は63人(12%)にとどまった。

 30週間経過した時点をベースラインとして182週後と比較したところ、HbA1c値は平均0.8%下がり、空腹時血糖値も24mg/dL低下と、有意差があった(p<0.0001)。また、患者の体重とBMIはすべての群で有意に低下した(p<0.0001)。

 さらに、心血管疾患のリスクファクターである脂質や血圧についても変化が見られた。トリグリセリド値は44mg/dL、総コレステロール値は11mg/dL、LDLコレステロール値は12mg/dL低下し、HDLコレステロール値は8.5mg/dL上昇した。収縮期血圧は2.5mmHg、拡張期血圧は3.3mmHg低下した。

 David Kendall氏は、「エクセナチドには、血糖コントロールを改善し、体重を漸減させる効果があった。糖脂質代謝の改善により、心血管疾患のリスクを軽減することも期待できる」と結論づけた。

 GLP-1アナログ製剤は、小腸から分泌され膵β細胞からのインスリン分泌を促すペプチドGLP-1の構造を、体内で分解されにくいように変えたもの。作用は血糖が高いときにだけ発揮されるので低血糖を起こしにくく、またβ細胞の再生効果も期待されている。