写真1 議論の輪が絶えないポスター発表会場

 ポスター発表では、近年注目を集めるグルカゴン様ペプチド1(GLP-1)分解酵素-4(DPP-4;ジペプチジルホスファターゼ4)阻害薬の開発に多くの製薬企業が乗り出していることが明らかになった。DPP-4阻害薬は、β細胞からのインスリン分泌を促すペプチドGLP-1を分解する酵素DPP-4を阻害し、GLP-1の作用時間を持続させる薬剤。既に欧米でシタグリプチン(米メルク)とビルダグリプチン(ノバルティスファーマ)が発売されているが、ポスター発表ではアログリプチン(SYR-322、武田薬品)、SK-0403(三和化学)、BI-1356(ベーリンガー・インゲルハイム)、ABT-279(アボット)などの開発状況が報告された。

 アログリプチンについては、18〜75歳の2型糖尿病患者55人を、25mg15人、100mg14人、400mg15人、プラセボ11人の2週間投与に無作為割付けした多施設共同研究の結果が発表された。2週間後、すべての薬剤投与群でプラセボ群よりも食後血糖値が有意に低下し(p<0.05)、重篤な副作用はみられなかった。

 ほかの試験も同様に、数十人という小規模な対象に経口投与して安全性を確認した結果、重篤な副作用はみられず、人体への忍容性が分かったという趣旨の発表だった。また、SK-0403はGLP-1の活性を上昇させる効果も確認されたほか、ARI-2243(ARISAPH社)はマウスへの投与による血糖降下作用が示された。

 さらに、LY-2463665(イーライリリー)も動物実験で安全性が示唆された。イーライリリーは既に米国およびドイツ、英国でGLP-1アナログ製剤エクセナチドを販売しているが、DPP-4阻害薬の開発にも着手していることが明らかになったと言える。こうした製薬企業の積極的な参入への動きは、まだ加速しそうだ。