スウェーデンUmea UniversityのKristina Weberg氏

 関節リウマチ(RA)患者では一般人口に比べて骨折リスクが約1.4倍と高く、なかでも大腿骨頸部骨折のリスクが高いことが分かった。スウェーデンUmea UniversityのKristina Weberg氏らが10月26日から30日に米国サンディエゴで開催された米国リウマチ学会(ACR2013)で発表した。

 Weberg氏らは、スウェーデン北部最大の都市Umea市と近郊の計6地域を対象とするRA患者レジストリと同地域の成人11万8000人を対象としたUmea外傷データベースを突き合わせて分析した。外傷データベースには、救命救急室を骨折で受診した全ての患者が登録されている。本研究では対象者を骨折イベントの発生、または2011年1月1日まで追跡した。

 追跡期間中、RA患者のうち329人(うち女性246人)で骨折が発生した。対照群では女性1万4102人、男性1万3313人で骨折が起きていた。RA患者における骨折の標準化罹患比(SIR)は、女性では1.35(95%信頼区間[CI]:1.19-1.53)、男性では1.70(95%CI:1.36-2.11)と男女ともRA患者の骨折が有意に多かった。

 年齢で層別化すると、65歳以上の女性のSIRは1.39(95%CI:1.19-1.62)、同じく男性は1.88(95%CI:1.44-2.42)で、45-64歳の女性の1.32(95%CI:1.03-1.67)、男性の1.62(95%CI:1.00-2.48)に比べて高い傾向だった。

 RA診断から最初の骨折までの期間は女性で18.7年、男性で14.4年であり、この期間は、45歳未満で発症した群に比べ、45歳以上でRAを発症した患者では男女とも短かった。 

 骨折部位別では、大腿骨頸部骨折のSIRが最も高く、女性では2.51(95%CI:1.21-4.61)、男性では4.75(95%CI:1.75-10.35)と、RA患者では一般に比べ、大腿骨頸部を骨折しやすいことが示された。

 なお、骨折が起きた場所について見ると、RA群では屋内と屋外での発生頻度がほぼ同等だったのに対し、対照群では屋外での骨折が有意に多かった。

 Weberg氏は、「RA患者では一般的な骨粗鬆症リスクに加え、疾患自体の進行による関節周囲の骨量減少や運動量の減少、ステロイド使用などによって、骨折リスクが高まるとされる。本研究ではRA患者において骨折のSIRが高く、特に大腿骨頸部骨折リスクが高いことが分かった」とコメントした。