スウェーデンKarolinska InstitutetのCecilia Orellana氏

 閉経期ホルモン補充療法(PMH)と関節リウマチ(RA)の発症リスクとの関連を調べた新たな研究で、抗シトルリン化ペプチド抗体(ACPA)陽性の場合、HRT受療者ではRA発症リスクが低いという研究成果が示された。スウェーデンKarolinska InstitutetのCecilia Orellana氏らが10月26日から30日に米国サンディエゴで開催された米国リウマチ学会(ACR2013)で発表した。

 更年期障害に対するPMHとRA発症の関連について調べたこれまでの研究では、関連性が認められないとする報告もあれば、リスクが増加あるいは減少するというものもあり、結論は定まっていない。

 そこでOrellana氏らは、ACPA陽性所見の有無別にPMHとRA発症リスクの関連を調べる症例対照研究を実施した。対象はスウェーデンRA疫学研究(EIRA)コホートに登録されたRA患者のうち、特定地域に在住の50〜70歳の閉経女性で2006年から2011年にRAを発症した467人。年齢と居住地域が一致する935人を対照群とした。PMHを受けているかどうかは質問票により、対象者に尋ねた。

 その結果、現在PMHを受けていない女性を基準(=1)としたとき、PMHを受けている女性のRA発症のオッズ比は、0.7(95%信頼区間:0.5-1.0)と低い傾向を示すにとどまったが、ACPA所見で層別化したところ、ACPA陽性の場合は0.6(0.3-0.9)と有意に低かった。ACPA陰性の場合、有意なリスク増減は見られなかった。

 次に、PMH治療でエストロジェンのみの治療を受けている群と、エストロジェンとプロジェストジェン(プロジェステロンおよびプロジェスティン)による治療を受けている群に分けて分析したところ、プロジェストジェンの投与を受けている群では、ACPA陽性の場合、0.3(0.1-0.7)と、より強い有意なリスク低減が認められた。プロジェストジェン投与のACPA陰性群と、ACPA所見にかかわらずエストロジェンのみ投与群では、有意なリスクの変化は見られなかった。

 また、詳細なデータは示されなかったが、年齢で2群(50〜59歳と60歳以上)に分けて分析したところ、ACPA陽性群におけるRA発症リスク低減は、エストロジェン+プロジェストジェンによるPMH治療を受けている低年齢群のみで見られた。Orellana氏は、「今後、RAの進展とPMHの関連について調べる計画だ」と述べた。