ドイツCharite-UniversitatsmedizinのGerd R. Burmester氏

 MTX未使用の早期の関節リウマチ(RA)患者に対するトシリズマブ(TCZ)の効果を検討したFUNCTION試験から、同薬剤は単独投与でもMTXとの併用投与でもMTX単独投与に比べて有効性に優れ、早期RA患者での新たな安全性の懸念も生じなかったことが確認された。10月30日まで米国サンディエゴで開催されていた米国リウマチ学会(ACR2013)で、ドイツCharite-UniversitatsmedizinのGerd R. Burmester氏が報告した。

 本試験の対象は、MTXによる治療歴がない罹病期間2年以内のRA患者1162例で、プラセボとMTXを投与する「MTX群」(289例)、TCZ 8mg/kgとMTXを併用する「TCZ 8+MTX群」(291例)、TCZ 8mg/kgとプラセボを投与する「TCZ 8単独群」(292例)、TCZ 4mg/kgとMTXを併用する「TCZ 4+MTX群」(290例)の4群に無作為に割り付けた。

 主要評価項目は、24週後のDAS28-ESRによる寛解率。無作為に割り付けされたが実際の治療を受けなかった患者を除外したMTX群287例、TCZ 8+MTX群290例、TCZ 8単独群292例、TCZ 4+MTX群288例の計1157例についてintention-to-treat解析を行った。

 試験の主要結果は2013年6月の欧州リウマチ学会(EULAR2013)で報告されており、24週後のDAS28-ESR寛解率はTCZ 8+MTX群45%、TCZ 8単独群39%、TCZ 4+MTX群32%で、いずれの群もMTX群の15%に比べて有意に高かった(すべてP<0.0001)。副次評価項目の1つであるX線上の関節破壊の進行も、TCZが投与された3群ではMTX群に比べ有意に抑制された(TCZ 8+MTX群:P<0.001、他のTCZ投与群:P<0.05)。

 またTCZが投与された3群のHAQ-DI改善度は52週にわたってMTX群よりも大きく、TCZ8+MTX群では24週後と52週後の時点で、TCZ 4+MTX群では24週後の時点で、それぞれMTX群に比べ有意差が認められた(いずれもP<0.05)。

 今回新たに、24週後と52週後のACR/EULARによるBoolean寛解達成率が、探索的解析結果として発表された。52週後のBoolean寛解率はMTX群16%、TCZ 8+MTX群26%、TCZ 8単独群19%、TCZ 4+MTX群21%で、TCZ 8+MTX群ではMTX群に比べて寛解率が有意に高かった(P<0.05)。

 同様に探索的解析として発表された24週後と52週後のSDAIによる寛解(SDAI≦3.3)の達成率も、52週後でMTX群22%、TCZ 8+MTX群36%、TCZ 8単独群30%、TCZ 4+MTX群29%となり、MTX群に比べTCZ 8+MTX群において有意に高かった(P<0.05)。

 安全性については、全有害事象、重篤な有害事象、感染症や悪性腫瘍、心筋梗塞や脳卒中、出血性イベントの発生率に4群間で差がないことが既に報告されている。今回、肝機能に関して詳細な検討を行ったところ、52週までのALT最高値が正常上限値の3〜5倍に上昇した患者はMTX群3.9%、TCZ 8+MTX群9.7%、TCZ 8単独群3.4%、TCZ 4+MTX群6.6%、また3倍を超える上昇が持続した患者はそれぞれ0.4%、5.2%、0.3%、2.4%であり、TCZとMTXを併用した群で高い傾向にあった。

 Burmester氏は、「MTX未使用の早期RA患者において、TCZはMTX併用あるいは単独を問わずMTX単独に比べて有効性に優れており、最も有効性が高かったのはTCZ 8mg/kgとMTXの併用群だった。報告された有害事象は全てTCZに既知の事象であり、新たな安全性の懸念は生じなかった」と結論した。