米国University of Nebraska Medical CenterのTed R. Mikuls氏

 近年、歯周病は関節リウマチ(RA)のリスクファクターであることが示唆されているが、喫煙や糖尿病などの交絡因子の関与が指摘されている。そこで、RA患者を対象に歯周病とRAの関連を調べたところ、歯周病は抗CCP抗体陽性RAの独立した危険因子であることなどが示された。10月26日から30日に米国サンディエゴで開催された米国リウマチ学会(ACR2013)で、米国University of Nebraska Medical CenterのTed R. Mikuls氏らが発表した。

 RA患者(RA群)287人と変形性関節症患者(対照群)330人を対象に、標準化歯周病検査を実施し、歯周病の有無を診断した。さらに、RA感受性遺伝子HLA-DRβ1を特定し(SNP imputation法)、歯周病の病原菌であるP. gingivalisの歯垢中の量、および血清抗Pg抗体、抗CCP抗体、リウマチ因子(RF)などを測定した。

 その結果、歯周病はRA群で有意に多く(35%対26%、P=0.022)、特に抗CCP抗体陽性RA患者で多かった(37%、P=0.006 )。

 抗Pg抗体やPg量は2群間で有意な差はなかった。抗Pg抗体は、抗CCP抗体(r=0.14、P=0.022)、およびRF(r=0.19、P=0.001)と、いずれも弱い相関が見られた。

 重回帰分析を行った結果(性、年齢、人種、糖尿病、結婚、口内乾燥、口内衛生状況、学歴で補正)、歯周病は抗CCP抗体陽性RAのリスクを有意に高めることが示された(オッズ比〔OR〕:1.59、95%信頼区間〔95%CI〕1.01-2.49)。抗Pg抗体、口内Pg量で補正後も有意な関連が見られた。

 歯周病と同様に、喫煙およびHLA-DRβ1(+)は抗CCP抗体陽性RAの有意な危険因子だった。そこで、喫煙歴のない人のみに絞って、同様の分析を行ったところ有意差は消失したが、歯周病は抗CCP抗体陽性RAの発症リスクを高める傾向は見られた(OR:1.87、95%CI:0.82-4.25)。

 次に、RA患者を歯周病の有無で2群に分けて重症度を比較した。その結果、腫脹関節数(P=0.004)、DAS28-CRP(P=0.045)、総Sharpスコア(P=0.015)、抗CCP抗体(P=0.0011)、RF(P<0.001)は、いずれも歯周病あり群で有意に高値だった。

 Mikuls氏は、「歯周病は、抗CCP抗体陽性RAの独立した危険因子であることが示された。歯周病はRAの発症リスクを高めるだけでなく、より重症化させていることも示唆された。さらなる研究で、両者の関連を解明することが必要だ」と話した。