オランダSint MaartenskliniekのNoortje van Herwaarden氏

 関節リウマチ(RA)に対する生物学的製剤の投与で寛解や低疾患活動性を達成できた場合、その後の減量が可能であれば、安全性および医療経済性の観点から得られる利益は大きい。オランダSint MaartenskliniekのNoortje van Herwaarden氏らは、10月30日まで米国サンディエゴで開催されていた米国リウマチ学会(ACR2013)で、トシリズマブ8mg/kgで低疾患活動性を達成したRA患者の半数以上で4mg/kgへの減量が可能であり、再燃しても投与量を元に戻すことで疾患活動性を制御できたと発表した。

 RA治療におけるトリシズマブの承認用量は8mg/kgだが、低用量で開始しても低疾患活動性を達成できることが報告されている。低用量でも効果が得られるのであれば、用量依存的に生じる副作用リスクの抑制や薬剤費軽減の点で患者にとっては福音となる。

 van Herwaarden氏らの施設では、トシリズマブによる治療の場合、承認用量(8mg/kg、4週ごと)で投与を開始し、6カ月後の評価で低疾患活動性が達成された場合には4mg/kgへの減量を検討している。低疾患活動性の判定はDAS28で3.2未満を達成したか、もしくは主治医の判断に基づく。再燃した場合は投与量を8mg/kgに戻す。

 今回、トシリズマブ8mg/kgで低疾患活動性を達成したRA患者22例を対象に、同薬剤の減量が可能かどうかを後ろ向きに検討した。具体的には、減量前、減量後3カ月および6カ月の疾患活動性を解析するとともに、再燃例では投与量を8mg/kgまで戻した後3カ月および6カ月の疾患活動性についても検討した。

 患者背景は、年齢61歳、女性比率91%、RA罹病期間10年で、トシリズマブ投与前のDAS28は4.9だった。これまでに使用したことのあるDMARDsおよび生物学的製剤の薬剤数はともに3剤(中央値)で、患者の50%がDMARDsを、27%がMTXを、64%が経口ステロイドを、それぞれ現在服用していた。

 トシリズマブ減量後の低疾患活動性の維持率は、3カ月後で77%、6カ月後で55%だった(2例が途中脱落)。再燃した9例中7例(78%)は、減量から16週以内に再燃が生じていた。

 トシリズマブ減量時のDAS28(±標準偏差)は2.3±0.9で、3カ月後には2.7±1.2、6カ月後には2.5±1.0と、わずかに悪化した。再燃した全ての症例で、トシリズマブの投与量を8mg/kgに戻すことによって再度、低疾患活動性を達成できた。トシリズマブ減量後に、DMARDsや経口ステロイドの増量が必要になったことはほとんどなかった。

 以上の検討からvan Herwaarden氏は、「トシリズマブ8mg/kgで低疾患活動性を達成したRA患者の過半数は、同薬剤の投与量を4mg/kgにしても低疾患活動性を維持できた。再燃した場合でもトシリズマブを増量すれば疾患活動性は抑制できる」と指摘した。