フランスStrasbourg University HospitalのJacques-Eric Gottenberg氏

 生物学的製剤の1剤目(ファーストライン)としてTNF阻害薬による治療が効果不十分だった関節リウマチ(RA)患者に対して2剤目の生物学的製剤を選択する場合、アバタセプトやトシリズマブといったTNF阻害薬以外の薬剤にした方が、より高い治療効果が得られる可能性があるという。10月26日から30日までサンディエゴで開催されていた米国リウマチ学会(ACR2013)で、フランスStrasbourg University HospitalのJacques-Eric Gottenberg氏が報告した。

 これは、いわゆる“ファーストバイオ”として用いたTNF阻害薬が効果不十分だったRAに対して、次の一手は「別のTNF阻害薬」と「作用機序が異なる生物学的製剤」のどちらが良いかを明らかにするために行われた、ROC(Rotation of anti-TNF Or Change of class of biologic)試験の結果だ。同試験はオープンラベルの多施設共同無作為化比較試験として行われた。なお、各群における薬剤の選択は主治医の判断に任せた。

 対象は、ACR分類基準を満たしたRAで、TNF阻害薬によるファーストラインの治療が効果不十分であり、かつDAS28が3.2以上、登録前4週間のステロイド(プレドニゾロン15mg/日以下)投与量およびDMARDs投与量が安定している患者とした。

 主要評価項目は、投与6カ月後のEULAR改善基準(goodあるいはmoderate response)達成率とした。また副次評価項目として3、6、12カ月後のEULAR改善基準達成率およびDAS28-ESR、12カ月後のCDAIおよびACR20/50/70それぞれの改善率、X線上の関節破壊進行の程度、重篤な有害事象、治療継続率、ステロイド減量効果を設定した。なお今回は、主要評価項目である6カ月後のEULAR改善基準達成率が報告された。

 2剤目に別のTNF阻害薬を選択した「TNF阻害薬群」(145例)の平均年齢は55.9歳(女性比率84.1%)、罹病期間は10.5年、DAS28-ESRは5.0だった。一方、2剤目にTNF阻害薬ではない生物学的製剤を選択した「他の生物学的製剤群」(146例)の患者背景は、年平均齢58.2歳(女性比率82.2%)、罹病期間10.0年、DAS-ESR28 5.2と、TNF阻害薬群と同等だった。

 2剤目に使用された生物学的製剤の内訳は、TNF阻害薬群がアダリムマブ57例、エタネルセプト53例、セルトリズマブ23例、インフリキシマブ8例(残りの4例は投与薬剤決定前に脱落)、他の生物学的製剤群がトシリズマブ70例、リツキシマブ41例、アバタセプト35例だった。

 6カ月後のEULAR改善基準達成率は、TNF阻害薬群が45.8%(good 19.7%、moderate 26.1%)、他の生物学的製剤群が59.8%(good 36.6%、moderate 23.2%)でTNF阻害薬群に対する他の生物学的製剤群の改善基準達成率のオッズ比は2.96(95%信頼区間: 1.36-6.45)となり、他の生物学的製剤群が有意に優れていた。

 今後、12カ月後の治療継続率やX線上の関節所見など副次評価項目の結果をまとめる予定という。

 これまでの検討からGottenberg氏は、「TNF阻害薬によるファーストラインの治療で効果が不十分だったRA患者に対しては、作用機序の異なるクラスの生物学的製剤に切り替えた方が、別のTNF阻害薬を使用するよりも、6カ月後のEULAR改善基準達成率で評価した有効性は高かった」と結論した。