デンマークCopenhagen University at FrederiksbergのHenrik C. Leffers氏

 アバタセプト(ABA)とトシリズマブ(TCZ)はTNF阻害薬による治療に失敗した関節リウマチ(RA)患者においても有効性が報告されているが、実臨床において長期間にわたる有効性を検討した報告は少ない。今回、デンマークCopenhagen University at FrederiksbergのHenrik C. Leffers氏らは、DANBIO Registryのデータを解析。同国のRA実臨床におけるABAとTCZの3年間の有効性は良好だったと、10月26日から30日までサンディエゴで開催されている米国リウマチ学会(ACR2013)で報告した。

 本研究の対象は、デンマークの全国規模のRA患者登録研究であるDANBIO Registryに登録された症例中、2013年6月8日以前にABA(341例)とTCZ(790例)が投与された症例とした。有効性の検討は、ベースラインおよび1年以上のDAS28などの変化が追跡できたABA群238例、TCZ群548例を対象にした。

 有効性の評価項目は治療継続率、DAS28変化量、DAS28寛解率、EULAR改善(goodあるいはmoderate response)率とし、48、96、144週後に評価した。ただし、今回はレジストリーの解析で対象集団の患者背景も異なることから、両薬剤の直接的な比較は行っていない。

 また、治療継続率を組み入れた長期有効性の指標として、DAS28寛解率、EULAR改善達成率のLUNDEX値を求めた。LUNDEXは、DAS28など既存の評価指標に、それぞれの時点におけるベースラインからの治療継続率を掛けたもので、その薬剤へのアドヒアランスを加味した治療成績を示す指標になるという。

 ABA群、TCZ群の年齢(中央値)は55歳、58歳、RA罹病期間は両群ともに4年。これまでに使用した生物学的製剤の数はそれぞれ3剤、2剤で、TNF阻害薬の使用経験がある患者は94%、89%。いずれかの生物学的製剤の使用経験がある患者は99%および95%を占めた。

 ABA群の治療継続率は48週後に47%、96週後に35%、144週後に28%で、TCZ群ではそれぞれ61%、54%、47%だった。

 ABA群では、DAS28はベースラインの5.1から48週後には3.3、96週後には2.8、144週後には2.7に低下し、DAS28寛解率はそれぞれ26%、41%、48%、EULAR改善率はそれぞれ76%、79%、85%となった。DAS28寛解率のLUNDEX値はそれぞれ12%、14%、12%、EULAR改善達成率のLUNDEX値はそれぞれ36%、28%、25%だった。

 一方、TCZ群では、DAS28はベースラインの5.1から48週後には2.6、96週後には2.7、144週後には2.2に低下し、DAS28寛解率はそれぞれ47%、45%、63%、EULAR改善達成率はそれぞれ82%、85%、91%となった。DAS28寛解率のLUNDEX値はそれぞれ29%、24%、29%、EULAR改善達成率のLUNDEX値はそれぞれ52%、47%、43%だった。

 以上の検討からLeffers氏らは、「TNF阻害薬など他の生物学的製剤による治療で効果が不十分だった患者が9割前後と多数を占めていたが、ABAとTCZの治療継続率、DAS28寛解率、EULAR改善率は非常に良好だった」と結論した。