米国Altoona Center for Clinical ResearchのAlan J. Kivitz氏

 BREVACTA試験の48週の成績がまとまった。同試験はトシリズマブ皮下注射製剤の24週投与の有効性と安全性を評価する目的で行われ、主成績は昨年の本学会で発表されている。24週後にオープンラベルの試験に移行し、48週までの成績を評価したところ、24週と同等の有効性および安全性が認められた。10月26日から30日まで米国サンディエゴで開催されている米国リウマチ学会(ACR2013)で、米国Altoona Center for Clinical ResearchのAlan J. Kivitz氏らが報告した。

 BREVACTA試験は、DMARDs治療で十分な効果が得られない中等度〜重度の活動性を有する関節リウマチ(RA)患者を対象に、トシリズマブ皮下注射[TS1](プレフィルドシリンジ製剤を用いて1回162mgを2週に1回投与)とそれまでのDMARDsとの併用療法を、プラセボの皮下注射とDMARDsの併用と比べた無作為化並行群間二重盲検比較試験。

 主要評価項目である24週後のACR20の達成率は、プラセボ併用群(219例)の32%に対してトシリズマブ併用群(437例)では61%と、トシリズマブ併用群の方が有意に高率だった(P<0.0001)。また、重篤な有害事象や注射部位反応などの発生率は、両群間に有意差を認めなかった。

 BREVACTA試験では、24週時点で全例をトシリズマブのプレフィルドシリンジ製剤を用いた皮下注射群と、同薬剤のオートインジェクター製剤を用いた皮下注射群に再度、無作為割り付けを行い(投与量はどちらも162mgを2週に1回)、72週までオープンラベルで追跡した。

 今回は、初回の無作為割り付け時にトシリズマブ併用群に組み入れられ、24週以降もトシリズマブの皮下注射を行った患者を対象に、有効性は48週まで、安全性は2012年10月29日まで追跡した結果を発表した。なお、24週時点で再度無作為割り付けを受けた患者の実数は334例だが、今回の評価は、初回の無作為割り付け時にトシリズマブ併用群に組み入れられた437例を母集団としたintension to treat解析で行った。

 ACR20/50/70の各達成率は24週で61%/40%/20%、48週で62%/45%/26%と同等だった。また臨床的寛解の指標であるDAS28<2.6の達成率も、24週の32%に対して48週では45%と保たれていた。

 機能障害の指標であるHAQ-DIについては、24週で58%、48週では62%がベースラインから0.3以上改善した。関節破壊の指標であるmodified Total Sharp Scoreのベースラインからの変化(ΔmTSS)についても、24週が0.62±2.692、48週が0.64±3.266と、変化は認められなかった。

 安全性については、全ての有害事象の発生が、24週の439.56件に対して48週では374.05件(患者100人・年当たり、以下同)、重篤な有害事象では13.68件対12.96件、重篤な感染症の発生が6.57件対3.81件、注射部位反応の発生率が31.20件対24.65件だった。

 以上の結果からKivitz氏は、「トシリズマブ皮下注製剤は48週後も24週と同等な有効性を示し、有害事象の内容や頻度も差がなかった。自己注射が可能なトシリズマブ皮下注製剤は、RA患者の治療の選択肢を増やすことからも好ましい」と指摘した。