米国Johns Hopkins大学のRebecca L. Manno氏

 米国では、70歳以上の関節リウマチ(RA)患者の抗リウマチ薬(DMARDs)使用率は9割弱と高く、DAMRDs使用に伴う有害事象も若年RA患者と同様に低いことが示された。米国Johns Hopkins大学のRebecca L. Manno氏らが、11月10日から14日までワシントンDCで開催された第76回米国リウマチ学会(ACR2012)で発表した。

 米国では、高齢者人口の増加に伴い、高齢者のRA発症率が増加している。RA患者に対するDMARDs使用率は増加しているが、高齢RA患者に対しては若年RA患者よりは使用率が低いとされる。

 そこで今回Manno氏らは、北米における大規模前向きコホート研究であるCORRONA registryの高齢RA患者を対象とし、DMARDsの使用頻度と薬剤に関連した有害事象、および関連する因子について検討した。

 対象は、CORRONA registryに登録された全米39州のRA患者3万1600例中、70歳以上で、登録後の12カ月間のフォローアップ期間中に少なくとも1度は来院している高齢RA患者5801例とした。

 CORRONA registryに登録されている若年RA患者1万7782例(平均52歳)と高齢RA患者5801例(平均74歳)について、登録時に使用されていた薬剤を比較すると、DMARDsの投与率は高齢患者で88%、若年患者で92%、生物学的製剤は、高齢患者で31%、若年患者では42%で、いずれも若年患者において有意に高率に使用されていた。

 多変量ロジスティック回帰分析の結果、高齢RA患者では、DMARDsの使用に関連する有意で独立した因子は性別(女性)で、オッズ比(OR):1.481(95%信頼区間[CI]:1.115〜1.968、P<0.05)だった。

 また、高齢RA患者における生物学的製剤の使用に関連する有意で独立した因子は、70歳以上でのRA発症(OR:0.671、95%CI:0.566〜0.796)、CDAI(1単位当たりのOR:1.014、95%CI:1.007〜1.021)、女性(OR:1.235、95%CI:1.064〜1.433)、健康評価質問票の機能障害指数(HAQ-DI)(1単位当たりのOR:1.409、95%CI:1.187〜1.672)だった(いずれもP<0.05)。

 一方、フォローアップ初回来院時の有害事象については、若年患者では薬剤全体で4%(内訳はNSAID:0.5%、非生物学的製剤のDMARDs:2%、生物学的製剤:0.7%)、高齢患者では薬剤全体で3%(NSAID:0.4%、非生物学的製剤のDMARDs:2%、生物学的製剤:0.4%)に発生していた。感染による有害事象は若年患者、高齢患者共に13%。そのうち入院が必要となる感染は、若年患者で0.3%、高齢患者で0.6%だった。

 生物学的製剤の使用に関連した有害事象について、多変量ロジスティック回帰分析の結果、有意で独立した因子だったのは、プレドニゾンの使用のみだった(OR:2.348、95%CI:1.118〜4.931)だった。

 入院を必要とする感染症については、多変量ロジスティック回帰分析の結果、独立した有意な因子は、HAQ-DI(1単位当たりのOR:2.091、95%CI:1.142〜3.831)、RA罹病期間(1年当たりのOR:1.030、95%CI:1.006〜1.055)、生物学的製剤の使用歴(OR:2.185、95%CI:1.081〜4.415)だった(いずれもP<0.05)。

 これらの結果からManno氏は、「CORRONA registryにおいて、高齢RA患者のDMARDs使用率は約9割と高かった。DMARDs使用に関連した有害事象は、高齢RA患者においても若年RA患者と同様に低率だった」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)