英国Birmingham大学のPaola de Pablo氏

 慢性的な炎症性疾患である歯周病は、関節リウマチ(RA)患者の関節炎症を悪化させるとの報告がある。そこで、初期の炎症性関節炎の患者を対象に、歯周病のサロゲートマーカーとされる残存歯数と疾患活動性の関連を調べたところ、残存歯数が少ないほど疾患活動性が高く、歯が全くなくなった後も歯周病の影響は続くことなどが示唆された。11月10日から14日までワシントンDCで開催された第76回米国リウマチ学会(ACR2012)で、英国Birmingham大学のPaola de Pablo氏らが発表した。

 対象は、炎症性関節炎の症状が出てから6カ月以内で、抗リウマチ薬(DMARDs)およびステロイド未使用の患者1009人(平均年齢55歳、発病後の平均罹病期間は12週間)。

 残存歯数が0、1-12、13-23、24-27、28(全)の5群に分けて、CRP、RF/ACPA、ESR、DAS28、朝のこわばりなどについて調べた。その結果、残存歯数が少ない群ほど炎症が強く、朝のこわばりや疾患活動性のスコアが悪かった。

 残存歯0群と残存歯28群の炎症マーカーと疾患活動性を比較すると、CRP(28mg/L 対 13 mg/L、P<0.017)、ESR(45mm/時 対 24mm/時、P<0.001)、DAS28-ESR(5.2 対 4.5、P<0.006)のいずれについても残存歯0群の方が悪く、有意な差が認められた。

また残存歯0群は残存歯28群に対し、ACR/EULAR新基準で関節リウマチに分類される比率が1.9倍と高かった。発症後1年以内にステロイドを使用した割合も、残存歯数が少ないほど高い傾向が見られた。

 Pablo氏は、「残存歯数が少ないほど、炎症性関節炎の疾患活動性が高いことが示された。歯をすべて失っていても歯周病の影響は持続していて、何らかの炎症プロセスが関節炎の疾患活動性に影響を及ぼしている可能性が示唆された」と話した。

(日経メディカル別冊編集)