オランダRadboud University Nijmegen Medical CenterのElke.E.A.Arts氏

 関節リウマチ(RA)患者において慢性的な炎症は心血管疾患(CVD)の独立した危険因子とされる。初期のRA患者を対象に、寛解維持レベルとCVDリスクについて検討したところ、寛解が維持され、その期間が長いほどCVDリスクが低下することが示された。11月10日から14日までワシントンDCで開催された米国リウマチ学会(ACR2012)で、オランダRadboud University Nijmegen Medical CenterのElke.E.A.Arts氏らが発表した。

 対象は、ACR1987年基準で診断されて発症1年未満のDMARDs未使用のRA患者770人(平均年齢56歳。61%が女性、76%がRF陽性、ベースライン時DAS28は5.1)。1年以上のフォローアップを行った。

 主要評価項目はCVDイベントの発症で、フォローアップ中に計153例の発症が見られた。

 寛解基準は、DAS28<2.6とした。寛解維持の評価は、寛解未到達状態から寛解に到達した場合を1点、次のフォローアップ(3〜6カ月間隔)で寛解が維持されていた場合は2点、到達できない場合は0とし、フォローアップ期間中の合計ポイントを算出。患者のフォローアップ期間に応じた最高点に対する実際の獲得ポイントの割合を寛解維持スコアとした。

 寛解維持スコアが0.1超(寛解維持群)と0.1未満(寛解不良群)の2群に分けて、カプランマイヤー生存曲線分析を行ったところ、寛解不良群の方が寛解維持群よりも有意にCVDの発症率が高かった(P<0.001)。COX比例ハザードモデルでの解析結果では、寛解維持スコアは、CVD発症の予防的な因子だった(調整済みオッズ比:0.35、95%信頼区間 0.15〜0.82、P=0.02)。

 Arts氏は、「今回の解析で、寛解を維持し続けることでRA患者のCVDリスクが軽減されることが示された。疾患活動性をしっかり抑えて寛解を維持することが、CVD予防の点でも重要であることが改めて確認された」と話した。

(日経メディカル別冊編集)