スウェーデンKarolinska InstitutetのSofia Ajeganova氏

 RA患者は心血管疾患(CVD)や総死亡のリスクが高いとされるが、これらのリスクを早期に予測する方法はまだ確立されていない。スウェーデンのRA患者コホートを用いた観察研究の結果、CVDイベント発症は2.1/100人・年、総死亡は1.7/100人・年であること、発症から2年の早期のHAQやCRPなどと関連があることが示された。11月10日からワシントンDCで開催されている米国リウマチ学会(ACR2012)で、スウェーデンKarolinska InstitutetのSofia Ajeganova氏らが発表した。

 対象は、1993年〜1999年にBARFOT inception RA cohortに登録されたRA患者741人(平均年齢は55歳、67.5%が女性、60%がRF陽性)。CVDの既往患者と20歳未満の患者は除外した。

 観察期間(中央値)は13年(2〜17年)で、CVD177件(2.1/100人・年)、総死亡151件(1.7/100人・年)だった。

 CRP-AUC、HAQ-AUC(いずれも発症後2年間の積分値)、および2年後のHAQ が高値であるほど、CVD発症および全死亡のリスクは増加した。一方、CVD発症リスクを軽減する因子は、発症1年後のHAQ低下(HR:0.75、95%信頼区間[CI] 0.58–0.97)、発症1年以内のDMARDs(HR:0.63、95%CI 0.44–0.90)、MTXの使用(HR:0.72、95%CI 0.53–0.97)だった。発症1年後の疼痛VAS低下(HR:0.93、95%CI 0.88–0.99)は、総死亡リスクを低下させる因子だった。

 また、RAの発症年齢が65歳以上と65歳未満の2群に分けて分析したところ、RF陽性(HR:2.72、95%CI 1.48–5.02)、ACPA陽性(HR:1.87、95%CI 1.01–3.34)、CRP-AUC(HR:1.07、95%CI 1.01–1.14)、ESR-AUC(HR:1.10、95%CI 1.02–1.17)、疼痛VAS-AUC(HR:1.06、95%CI 1.00–1.13)は、若年群でのみCVD発症リスクの増加因子だった。

 発症1年後のCRP、ESR、およびHAQの低下、発症1年以内のMTXや他の抗リウマチ薬(DMARDs)の使用は、65歳以上の患者群でCVD発症のリスクを下げる因子だった。また、いずれの年齢グループにおいても、RF陽性、HAQ-AUC、発症2年後のHAQは、総死亡のリスクを増加させる因子だった。

 Ajeganova氏は、「RA発症後1〜2年の早期に、MTXや他のDMARDsによる治療を徹底してHAQを改善することが、CVDのリスクを軽減し、長期予後を改善する可能性が示唆された」と話した。

(日経メディカル別冊編集)