米国Mayo ClinicのKerry Wright氏

 RA患者と非RA患者の癌発症率を比較したところ、RA患者の血液癌の発症率は非RA患者よりも高く、特に最近の患者コホートにおいて顕著であるとの結果が示された。11月10日から14日まで米国ワシントンで開催されている米国リウマチ学会(ACR2012)で、米国Mayo ClinicのKerry Wright氏らが発表した。

 1980年〜2007年にACR基準で診断されたRA患者群と、年齢・性別をマッチさせた非RA患者群(いずれも813人、平均年齢55.9歳、女性68%)の2群を、死亡、移住、2008年12月31日のいずれかまで追跡し、癌の種類別発症率について調べた。

 RA患者群の診断以前の癌発生率は6.5%で、非RA患者群のindex date以前の癌発生率(8.1%)と差はなかった(P=0.22)。

 RA診断後の累積癌発症率をみると、全癌発症率は2群間で有意差はなかった(10年後の平均値、RA患者群13.0%対非RA患者9.1%、P=0.10)。しかし、血液癌の発症率はRA患者群の方が非RA患者群よりも有意に高かった(10年後の平均値、RA患者群2.0%対非RA患者群0.7%、P=0.009)。

 一方、固形癌については、肺癌、大腸癌の発症率では両群間で有意差はなかった。乳癌の累積発症率はRA患者群の方が非RA患者群よりも低かった(10年後:1.6%対2.9%)ものの、統計的な有意差はなかった(P=0.63)。

 RA患者群を、1995年〜2007年に診断された群と、1980年〜1994年に診断された群に分けて血液癌の発症率を比較すると、1995年〜2007年に診断された新しいRA患者群では、以前のRA患者群に比べて、血液癌の発症が多い傾向が見られた(HR:2.28、95%信頼区間0.95−5.51)。非RA患者群を、同様にindex dateで2つの時期に分けて比較しても、血液癌の発症に違いはなかった。

 Wright氏は、「RA患者は非RA患者と比較して、血液癌の発症が多い傾向がみられた。特に最近RAと診断された患者群で血液癌の発症が多い傾向が見られた。その原因は分からないが、この点に関してはさらなる研究が必要だ」と話した。

(日経メディカル別冊編集)