慶應義塾大学リウマチ内科の亀田秀人氏

 一部の関節リウマチ(RA)患者では、インフリキシマブ(IFX)といった抗TNF阻害薬による低疾患活動性導入後に同薬の使用を中止するバイオフリーを実現しうることが報告されており、次なる目標はこの長期維持だ。バイオフリー後にメトトレキサート(MTX)単剤で管理した場合と、MTXに加えてDMARDのブシラミン(BUC)を併用し管理した場合の再燃抑制効果を比較したBuSHIDO試験の結果から、MTXとBUCの併用により再燃がほぼ半減できることが分かった。慶應義塾大学リウマチ内科の亀田秀人氏らが、11月10日から米国ワシントンDCで開催されている第70回米国リウマチ学会(ACR2012)で発表した。

 BuSHIDO試験の対象は、6回以上のIFX投与を受け、DAS28-CRP<2.6またはDAS28-ESR<3.2を6カ月以上維持できているRA患者55例。これらの患者をMTX群(31例)とMTX+BUC群(24例)に無作為に割り付けた。患者背景を見ると、女性比率はMTX群が87.1%、MTX+BUC群が62.5%、平均年齢は順に50.4歳、53.8歳、罹病期間は7.1年、8.5年で、他の項目を含め両群間に差は見られなかった。

 MTX群にはMTX単剤による通常の維持療法を、またMTX+BUC群にはMTXとBUC(100mgの1日2回投与)の併用による維持療法をそれぞれ実施。2年間の追跡を行い、その間の再燃(DAS28-CRP≧2.6かつDAS28-ESR≧3.2)発生率を比較した。

 追跡期間中に、MTX群の4例とMTX+BUC群の2例はコンプライアンス不良や妊娠希望のため、MTXを中止し解析対象から除外した。したがって、最終的な解析対象はMTX群が27例、MTX+BUC群が22例となった。その結果、再燃率はMTX群が63.0%、MTX+BUC群が31.8%であり、前者が有意に高かった(P=0.045)。

 なお、MTX群は27例全例がプロトコールを完遂したが、MTX+BUC群のうち7例は皮疹(5例)、蛋白尿(1例)、コンプライアンス不良(1例)のためにBUCを中止した。そこで、MTX+BUC群をプロトコール完遂の有無により2群に分けて再燃率を見ると、完遂した群(15例)は26.7%だったが、途中でBUCを中止した群(7例)は42.9%と、再燃率が高めであった。

 次に、MTX群をIFX中止時にBoolean寛解基準を満たしていなかった群(12例)と満たしていた群(15例)の2群に分けて再燃率を比較したところ、前者では91.7%の患者が再燃を来していたのに対し、後者は40.0%にとどまり、有意差が認められた(P=0.014)。一方、MTX+BUC群では、Boolean寛解非達成群(5例)、同達成群(17例)の再燃率はそれぞれ40.0%、29.4%と、両群間に有意な差はなかった。

 以上の結果より、IFXによる低疾患活動性導入後のバイオフリーの患者に対し、MTXとBUCの併用による維持療法を行うことにより、MTX単剤での維持療法に比べ、再燃のリスクを半減できることが示された。特に、維持療法開始時にBoolean寛解未達成の患者においては、MTX単剤で再燃を防ぐことは難しく、BUCを併用する意義が高いことが示唆された。

 なお、BuSHIDO試験の別の解析では、MTX群における再燃者は例外なく開始時のDAS28-CRPが非再燃者より有意に高かったという。これと上記のBoolean寛解に関する解析結果を踏まえ、「BUC併用には、臨床的な再燃を来す疾患活動性の閾値を引き上げる効果があるのではないか」と、亀田氏は考察している。さらに、「今後は他のDMARDにおいても同様の効果が認められるかどうかを検証していきたい」と語った。

(日経メディカル別冊編集)