英国Basildon and Thurrock大学病院のAnurag Bharadwaj氏

 リウマチ専門医の多くは、早期の関節リウマチ(RA)の初期治療にステロイドを使用しているが、投与法や用量、使用期間などには大きなばらつきがあることが示された。英国の専門医を対象としたアンケート調査で明らかになったもので、英国Basildon and Thurrock大学病院のAnurag Bharadwaj氏らが、11月10日にワシントンDCで開幕した第76回米国リウマチ学会(ACR2012)で発表した。

 関節リウマチの早期治療は抗リウマチ薬やステロイドによって行う。ステロイドは、急性の疾患活動性増悪を制御して長期的なダメージを低減する上で非常に有効だが、患者の状態に対する投与量や投与の順序、投与期間などについてのコンセンサスは得られていない。Bharadwaj氏は、不適切な投与が行われれば、過剰な制御が行われる可能性がある、と指摘する。

 そこでBharadwaj氏らは、英国NHSの上級リウマチ専門医に対してアンケートを実施し、早期RAにおけるステロイドの使用動向を評価した。

 アンケート対象は、英国NHSトラストに所属している上級リウマチ専門医131人。18歳以上の関節リウマチ患者に対し、RA初期にステロイドをどのように処方したかを確認するアンケートを郵送した。

 その結果、82.4%の医師は、実際の診療において初期の段階からステロイドを用いていた。投与方法は、経口投与が53.6%、筋肉内投与が48%、関節内投与が45.6%で、単独もしくは組み合わせて行っていた。

 経口投与(プレドニゾロン)の初回量は、1日当たり7.5mgから60mgまでさまざまだったが、63人中16人は1日当たり15mg、15人は20mgと回答した。投与期間としては、1カ月から2年と大きな開きがあったが、2〜3カ月とした回答が47人中19人、4〜6カ月とした回答が15人と多かった。

 筋肉内投与(デポメドロール)の用量は40mgから160mgの範囲だったが、109人中94人は120mgで使用していた。投与期間は2カ月から2年までの幅があったが、2〜6カ月とした回答が23人中8人と比較的多かった。

 関節内注射(デポメドロール)の投与量は、5mgから80mgと差が見られたが、40mg程度で使用する専門医が最も多かった。

 これらの結果からBharadwaj氏は、「リウマチ専門医の大半は早期RAの初期治療にステロイドを使用していることが分かったが、その投与方法、用量及び使用期間を含むステロイドの使用には大きなばらつきがあった」と指摘し、「初期治療におけるステロイドの使用に関するガイドラインの制定が急務だ」と考察した。

(日経メディカル別冊編集)