長崎大学リウマチ・膠原病内科の岡田覚丈氏

 日本人の関節リウマチ(RA)患者を対象として関節破壊の進行を追跡した縦断的研究は少ない。長崎大学と東北大学の関連施設における前向き観察研究「Apple Survey」の結果、関節破壊が急速に進行するRRP(rapid radiographic progression)のRA患者では、ベースラインのDAS28-ESRやCRP、自己抗体陽性率などが高いといった特徴が明らかになった。米国ワシントンDCで11月10日に開幕した米国リウマチ学会(ACR2012)で、長崎大学リウマチ・膠原病内科の岡田覚丈氏らが発表した。

 対象は、合成 DMARDsで治療中のRA患者261人。観察期間は1年間で、3カ月ごとにDAS28-ESRの評価を行い、その積分値を求めた。また、6カ月ごとに手足のX線撮影を行い、mTSSスコアで評価した。RRPは、mTSSの1年間の増加が3.0超と定義した。

 追跡の結果、1年目でRRPとみなされた患者は31人(11.9%)だった。

 RRP群とそれ以外の患者(non-RRP群)を比較したところ、RRP群はnon-RRP群に比べて病歴が短い傾向(4.03年 対 6.15年、P=0.058)で、ベースライン時のDAS28-ESRが高く(4.06 対 3.53、P=0.024)、DAS28-ESR積分値が大きく(42.8 対 36.7、P=0.023)、また、CRP、自己抗体陽性率、mTSSはいずれもRRP群がnon-RRP群より高かった(いずれもP<0.05)。

 ロジスティック回帰分析を行った結果、RRPに関する独立な予測因子は、病歴が短期(P=0.013)、ベースライン時のmTSSが高値(P=0.010)、DAS28-ESRの積分値が大(P=0.027)の3つだった。また、MTXの使用はRRPを抑制する傾向が見られた。

 岡田氏は、「合成DMARDsを使用している日本人RA患者の追跡研究を行った結果、早期から関節破壊が進行していて、疾患活動性スコアの積分値が大きい患者は、RRPである可能性が高いことが示された。これにより、より早期からのtreat to target 戦略の重要性が示唆された」と語った。

(日経メディカル別冊編集)