ニューヨーク大学医学部のYusuf Yazici氏

 ACR/EULAR新寛解基準に比べて簡単に利用できるRAPID3は、忙しい日常診療における1つの選択肢になりそうだ。ニューヨーク大学医学部Yusuf Yazici氏らが、700人余の患者を対象に2つの基準を比較検討したところ、RAPID3は新寛解基準と同等の機能を持つことが分かった。成果は、11月9日までシカゴで開催されていた米国リウマチ学会(ACR2011)で発表された。

 RAPID3(Routine Assessment of Patient Index Data 3)は関節数をカウントすることなく、患者自身が疾患活動性スコアを定量化して転帰を評価する迅速な方法。HAQスコア、患者による疼痛評価のVASスコア、患者による全般的評価のVASスコアから算出する。

 Yazici氏らは、ニューヨーク大学が2005年から構築に取り組んできた関節炎レジストリモニターデータベース(ARMD)を活用し、最新の受診が2005年7月から2011年4月までのRA患者を対象に、RAPID3とACR/EULAR新寛解基準の実用性を検討した。ARMDには、これまでに6500人の患者が登録され、そのうちRA患者は800人近くに上っている。このデータベースの特徴の1つは、患者が自己申告するMDHAQ(多次元健康評価質問票)のデータも蓄積していることだった。

 今回の解析対象は704人で、患者背景は平均年齢が53.9歳、平均罹患期間が5.5年、女性が80%などだった。最新の受診時に、RAPID3による評価で寛解(合計30ポイント中≦3)と診断されたのは116人(16%)だった。疾患活動性の評価結果は、軽度が61人(9%)、中程度が190人(27%)、重度が337人(48%)だった。一方、同じ対象で、ACR/EULAR新寛解基準で寛解と診断されたのは118人(17%)だった。

 これらRAPID3によって寛解と判断された患者と新基準によって寛解と判断された患者の間で一致率を求めたところ、96%と非常に高いことが分かった(kappa=0.86、P<0.001)。

 Yazici氏らは、「今回の患者集団においては、RAPID3による寛解の定義は、ACR/EULAR新寛解基準と同等に機能することが分かった。このため、RAPID3は、新基準の同等の効果を得るような疾患管理目標としても使用できる可能性がある」と結論。「新基準に比べて簡単に利用できるRAPID3は、忙しい日常診療において1つのよい選択肢となるだろう」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)