TNF阻害薬のアダリムマブ(ADA)、エタネルセプト(ETN)で効果不十分であっても、同じTNF阻害薬インフリキシマブ(IFX)への切り替えにより、関節リウマチ(RA)患者のQOLや生産性が改善することが示された。米テキサス大学Southwestern Medical CenterのRoy M. Fleischmann氏らが、RESTART試験の解析結果として、11月5日から9日までシカゴで開催された米国リウマチ学会(ACR2011)で報告した。

 RESTART試験は、皮下注製剤のTNF阻害薬であるADA、ETNで十分な効果が得られず、静注製剤のTNF阻害薬であるIFXへの切り替えを行ったRA患者を追跡したオープンラベルの市販後臨床試験であり、203人を登録、197人について解析した。IFX投与は3mg/kgを0、2、6週、以降は8週間隔に行い、効果不十分な場合、5mg/kg、7mg/kgと増量を行った。IFXへの切り替え前の平均年齢は54±12.1歳、平均罹病期間は6.8±6.6年で、DAS28-ESRが6.18±0.98、腫脹関節数17.4±10.5、圧痛関節数29.6±16.9と高い疾患活動性を示していた。切り替え前のTNF阻害薬の内訳は、ADAが77人(39.1%)、ETNが121人(61.4%)だった(両剤の使用歴があった1人を含む)。

 RESTART試験の主要評価項目であるEULAR改善率については、昨年の欧州リウマチ学会(EULAR2010)にて報告されている。今回の解析では、身体機能障害とQOLの改善に着目し、HAQ-DIおよびEQ-5DとSF-36を用いた検討が行われた。

 その結果、HAQスコアはベースラインから10週目で平均0.17ポイント、26週目では平均0.22ポイント改善し(ともにP<0.001)、両時点において約4割の患者が臨床的に意味のある改善(0.22ポイント以上の変化)を得た。

 また、EQ-5Dから算出されたQALY(quality adjusted life years;QOLを考慮した生存年数。完全に健康ならQALY=1)は、ベースラインの0.62から26週目には0.72へと有意に改善した(P<0.001)。

 SF-36についても、身体機能、日常役割機能(身体)、身体の痛み、全体的健康感、活力、社会活動、日常役割機能(精神)、心の健康という8つの下位尺度のすべてにおいて有意な改善を認めた(すべてP<0.001)。

 さらに、患者の世話をする人が直近8週間で欠勤した日数を調べたところ、ベースラインの1.02日から0.16日(10週目)、0.24日(26週目)へと減少し、患者自身が評価する生産性もベースラインより向上していた(P<0.001)。

 以上の結果より、皮下注製剤のADA、ETNで十分な効果が得られなかった患者でも、静注製剤のIFXに切り替えることで、QOLの改善や生産性の向上がもたらされることが示唆された。

(日経メディカル別冊編集)