米California大学San Francisco校のGabriela Schmajuk氏

 高血圧や糖尿病、高コレステロール血症、骨粗鬆症による骨折などの合併症がある場合、関節リウマチRA)患者が受ける医療サービスの質は、非RA患者と同等であることが分かった。骨折後の骨粗鬆症の治療については、RA患者の方が非RA患者よりも、より質の高いケアを受けていた。米California大学San Francisco校のGabriela Schmajuk氏らが、米ヘルスケアの有効性データ情報セット(Health Plan Employer Data and Information Set;HEDIS)を元に、約860万人について断面調査を行い明らかにした。成果は、11月5日から9日までシカゴで開催された米国リウマチ学会(ACR2011)で発表した。

 対象者は、65歳以上で、2008年のメディケア・マネジドケアプランの加入者のうちのRA患者7万5805人と、非RA患者857万4275人だった。平均年齢は両群ともに約75歳だった。女性の割合はRA群が76.3%に対し、非RA群は57.8%、平均外来診察回数は、それぞれ15.7/年と8.3/年。

 RA患者と非RA患者に対する、高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、骨粗鬆症に対する治療の質について、HEDISのデータを用いて比較した。年齢、性別、人種、収入、社会経済的地位、地理的区分、外来診察回数などについては補正を行った。

 ケアの指標としては、高血圧では、直近の血圧測定値が140/90未満、糖尿病では直近のHbA1c値が8%未満、高コレステロール血症では直近の低比重リポ蛋白(LDL)コレステロール値が100mg/dL未満、骨粗鬆症では骨折後の骨密度検査の実施、または6カ月以内の骨粗鬆症治療の実施の有無とした。

 その結果、RA群と非RA群でケアの質に有意差が認められたのは、骨粗鬆症のみだった。指標とした項目の実施率は、RA群が34.0%で非RA群が21.6%と、RA群で有意に高率だった(P<0.001、補正後オッズ比:1.67)。

 その他の項目についての達成率は、高血圧はRA群が61.5%で非RA群が59.6%、糖尿病はそれぞれ41.3%と40.8%、高コレステロール血症はそれぞれ44.3%と45.0%となり、いずれも両群で有意差はなかった。

 Schmajuk氏は、「RA患者の合併症に対するケアの質は、非RA患者と同等以上だった」とし、「RA患者と非RA患者の、心血管疾患や骨折の罹患率・死亡率の差は、こうした合併症に対する医療ケアの質の違いによるものではないようだ」と考察した。

(日経メディカル別冊編集)