1日にアルコール含有量にして10g未満の飲酒に、例えばちょっと少なめに注いだグラスワイン1杯ならば、RA発症リスクを軽減する効果が期待できることが示された。看護師健康調査Nurses' Health Study)の一環として行われた女性におけるアルコール摂取量とRA発症に関する調査の結果、明らかになった。米Brigham Women's病院・米ハーバード大医学部のBing Lu氏らが、11月9日までシカゴで開催されていた米国リウマチ学会(ACR2011)で発表した。

 対象とした看護師健康調査(NHS)は1976年に開始されたもので、米国11州から30〜35歳の12万1700人の女性看護師が参加した。生活様式、環境、アウトカムについて2年ごとに実施する質問表への回答を通して、データを収集した。アルコール消費については、1980年から2006年の間に4年ごとに実施した食事頻度質問表(FFQ)をもとに調べた。

 1980年の登録時にFFQを完了した9万5516人の女性のうち、RAの既往があると報告した女性あるいは他の結合組織疾患の既往があると報告した女性は除外した。また、2006年までのRA発症診断は、結合組織疾患スクリーニング質問表ならびに米国リウマチ学会基準により医療記録をレビューすることで確認した。

 アルコール消費の程度で5群(なし0、<5g/日、5〜9g/日、10〜19g/日、≧20g/日)に分類し検討した。それぞれのアルコール飲料のアルコール含有量は、ビール1瓶または1缶当たり13.2g、ワイン1グラス当たり10.8g、蒸留酒1標準量当たり15.1gを基準に推定した。これらのデータを元に、多変量Cox比例ハザードモデルを用いて、年齢、喫煙、BMI、閉経、授乳などについて補正後、ハザード比を算出した。

 その結果、234万730人・年の追跡期間中、719件のRA発症が確認された。RAの発症率(10万人・年当たり)は累積アルコール消費量ごとにみると、0g/日群で34、<5g/日群で29、5〜9g/日群で25、10〜19g/日群で35、≧20/日g群で34だった。他の潜在交絡因子で補正後では、1日に5g未満のアルコールを摂取する女性は、全く飲まない女性に比べてRA発症リスクが22%軽減されることが分かった(P=0.022)。また、1日に5〜9gのアルコールを摂取する女性は35%までリスクが軽減された(P=0.001)。ただし、1日当たり10g以上のアルコール消費の場合は、RA発症に対して保護効果はなかった。

 Bing Lu氏らは、「今回の長期前向きコホート研究によって、軽度(アルコール含有量が1〜9g/日)のアルコール摂取にはRA発症リスクを軽減する保護効果があるとの証拠が得られた」と結論した。また、「10g/日より多いアルコール摂取の場合には、保護効果がないことも明らかになった」と指摘した。

 会場からは、アルコール摂取がRA発症リスクを軽減する機序についての質問が出されたが、Lu氏は「今後の研究課題だ」と回答した。

(日経メディカル別冊編集)