乾癬性関節炎関節症性乾癬:PsA)患者に肥満が多いことはよく知られた事実だが、肥満がTNF阻害薬治療の継続率に及ぼす影響についてはほとんど研究されていない。米ニューヨーク大学のJeffrey D. Greenberg氏らは大規模患者レジストリを基にした新たな研究により、肥満が継続率の低下に関連すること、体重に応じて投与量を変えられるTNF阻害薬の方が、有意ではないものの20週を過ぎた頃から一貫して継続率が高いことを明らかにした。成果は、シカゴで11月9日まで開催されていた米国リウマチ学会(ACR2011)で報告した。

 Greenberg氏らは、北米における大規模なリウマチ性疾患患者登録研究であるConsortium of Rheumatology Researchers of North America(CORRONA)レジストリのデータを利用して、TNF阻害薬治療下にあるPsA患者のデータを抽出し、肥満の有無と投薬内容が治療継続率に及ぼす影響を検討した。

 解析対象は、2002年2月から2011年3月までにCORRONA研究参加施設を受診し、初めてTNF阻害薬投与を受けたPsA患者428人のうち、少なくとも1回以上のフォローアップ記録がある392人とした。平均追跡期間は2.7年だった。

 これらの患者のうち、体重に応じて投与量を変えられるTNF阻害薬(インフリキシマブ)は89人(以下、体重別TNF薬群)で、体重が変化しても投与量を変えられないTNF阻害薬(エタネルセプト、アダリムマブ)は303人(以下、非体重別TNF薬群)であった。

 疾患活動性や体重、BMIなどの背景因子は両群で有意な違いは認めなかったが、年齢と腫張関節数では有意差が認められ、体重別TNF薬群の方が高齢で、腫脹関節数が多かった(年齢:54.12±15.8歳 対 49.76±11.7歳、P=0.005、腫脹関節数:6.30±6.4 対 3.94±5.0、P=0.000)。

 両群の治療継続率をKaplan-Meier法で比較すると、治療開始後20週を過ぎた頃から両群の継続曲線に解離がみられ始め、以後一貫して体重別TNF薬群の方が高い継続率を維持していた。Cox回帰モデルによる多変量解析で、治療中止に至るハザード比(体重別TNF薬群に対する非体重別TNF薬群)を求めたところ、1.38(95%信頼区間:0.90‐2.11)と、体重別TNF薬群の方が、有意ではないものの継続率は高かった。

 一方、肥満者(BMI≧30)と非肥満者(BMI<30)の治療継続率をKaplan-Meier法で比較したところ、肥満者において著明な継続率の低下を認めた。多変量解析で、非肥満者群に対して肥満者群が治療中止に至るハザード比を求めたところ、1.52(95%信頼区間:1.08‐2.14)と、肥満は治療中止の有意な危険因子として同定された。

 以上の結果より、PsA患者における肥満は、TNF阻害薬の継続を阻む危険因子であり、体重が変化しても投与量を変えられないTNF阻害薬よりも、体重に応じた用量で投与するインフリキシマブの方が継続率は高いことが示唆された。

(日経メディカル別冊編集)