米Brigham and Women's病院のElena Losina氏

 「米国では、膝骨関節炎(KOA)の発症年齢が90年代よりも約13年早まっており、35歳から84歳までの約500万人が今後10年間にKOAと診断される」との予測結果が示された。米Brigham and Women's病院のElena Losina氏らが、11月5日から9日までシカゴで開催された米国リウマチ学会(ACR2011)で発表した。

 米疾病予防管理センター(CDC)のコホートデータを用い、OAPol Modelと呼ばれるシミュレーションモデルで、「1990年」(1991〜92年)と「2000年」(2007〜08年)において、その後10年間に新規にKOAと診断される患者数を推定した。コホートは25歳から死亡までで、非肥満女性 肥満女性 非肥満男性、肥満男性、一般米国人の5つを用いた。

 シミュレーションの結果、KOAの平均発症年齢は「1990年」が69.4歳、「2000年」が55.8歳で、両年代間で約13歳早まっていた。肥満者と非肥満者との比較では、肥満者の方がKOAの発症が多く、発症年齢が若い傾向が見られた。

 「2000年」のシミュレーションでは、35歳から84歳までの約500万人が、10年後までに症候性KOAと診断されると推定され、そのうちの約3分の2が45歳から64歳(180万人)という結果だった。

 Elena Losina氏は、「KOAの発症年齢が早まっていることが示されたが、この10年の間に肥満や膝の損傷などが増加したことや、患者の受診傾向が高まったことなどが影響しているかもしれない。いずれにせよ今後、人工膝関節置換術の実施件数が増えるなど、米国のヘルスケアシステムに大きな経済的影響を及ぼすことが懸念される」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)