心筋虚血の存在が疑われる無症候性関節リウマチ(RA)患者では、ドブタミン負荷心エコー検査の陽性率が約7割と高いことが示された。これは無症候性糖尿病患者の場合に匹敵する水準であることも分かった。アテネ大学医学部のA. Karanasos氏らが、11月9日までシカゴで開催されていた米国リウマチ学会(ACR2011)で発表した。

 RAは虚血性イベントと関係があることから、演者らは、心筋虚血の存在が疑われる無症候性RA患者を糖尿病患者および対照群と比較し、ドブタミン負荷心エコー検査によって、それぞれの特徴を明らかにした。

 対象は、冠動脈疾患の見られない非糖尿病のRA患者で、過去3年間で新たな頸動脈プラークが確認された18人(女性12人、平均年齢68±7歳、罹患期間11±7年、喫煙者50%、高血圧72%、脂質異常症33%)。壁運動と血流評価のために左室の17セグメントモデルを用いて、ドブタミン負荷心エコー検査をすべての患者について行った。ドブタミン負荷試験で陽性だった患者で同意を得られた人については、冠動脈造影を行った。結果は、糖尿病で無症候性心筋虚血の患者18人(糖尿病群)とRA患者(従来の心血管因子で1:1対応)を、また無症候性心筋虚血の対照群36人とRA患者(同1:2対応)との間で、それぞれ比較検討した。

 負荷心エコー検査結果が陽性だったのはRA群で12人(67%)、糖尿病群で14人(78%)、対照群で11人(31%)だった。RA群は対照群に対し有意(P<0.05)に多く、糖尿病群も対照群に対して有意(P<0.01)に多かった。一方、RA群と対糖尿病群の間では有意差はなかった。

 血流欠損のある心筋セグメントの数の中央値を求めたところ、RA群で1(四分位範囲、IQR;2)、糖尿病群で2(IQR;3)、対照群で0(IQR;1.5)となった(RA群対対照群でP<0.05、糖尿病群対対照群でP<0.01、RA群対糖尿病群では有意差なし)。壁運動スコア指数の中央値は、RA群で1.05(IQR;0.1)、糖尿病群で1.1(IQR;0.05)、対照群で1(IQR;0.075)となった(RA群対対照群でP<0.05、糖尿病群対対照群でP<0.01、RA群対糖尿病群は有意差なし)。

 負荷心エコー検査の結果が陽性であった被験者の間では、血流欠損のあるセグメント数(中央値;2)あるいは壁運動スコア指数(中央値;1.1)のいずれかはRA群、糖尿病群、対照群の間で同等であった。また、負荷心エコー検査結果が陽性だった12人のRA患者のうち8人で冠動脈造影を行なったが、そのうち4人は正常、2人は特に重大な冠動脈アテローム性病変なしだった。ただし、2人で血管形成術の必要な病変が確認された。

 これらの結果から演者らは、「心筋虚血の存在が疑われる無症候性RA患者は糖尿病患者と同様、負荷心エコー検査の陽性が高率に認められることが分かった」と結論した。その上で「閉塞性冠動脈疾患がない場合、心筋虚血、おそらく細小血管障害によって生じる冠動脈障害がこのような患者によくみられるからだろう」などと考察した。

(日経メディカル別冊編集)