米Wake Forest大学のStephen P.Messier氏

 膝の骨関節炎患者に対し、食事制限だけでなく運動療法を加えると、食事制限のみや運動療法のみの場合よりも痛みの軽減効果が大きいことが分かった。米Wake Forest大学のStephen P.Messier氏らが、11月5日にシカゴで開幕した米国リウマチ学会(ACR2011)で発表した。

 肥満は改善可能なリスクファクターであり、症候性の膝骨関節炎において減量は、薬を必要としない最善の治療法とされる。今回の研究では、膝の骨関節炎患者に18カ月間の長期的介入を行い、運動療法および食事制限による痛みや機能の改善効果を検討した。

 対象者は肥満(BMI=27〜42)で、X線撮影で脛骨大腿骨の骨関節炎の症状が見られる454人(KL=2〜3)。無作為に、食事制限強化のみ(D群、152人)、食事制限強化+運動(D+E群、152人)、運動のみ(E群、150人)の3つの群に分けた。

 18カ月後の食事制限強化の減量目標はベースライン時の体重の10%以上とした。運動は、低〜中等度の強度の歩行(15分×2回)とウエイトトレーニング(20分)からなる1時間のメニューを週3回行った。

 ベースライン時の対象者の平均年齢は65.5歳、BMIは33.3、女性の割合が72%、白人が81%。両側変形性膝関節症患者は85%だった。最後まで試験を完了したのは399人(88%)だった。

 介入の結果、18カ月後の平均体重減少は、D+E群が10.6 kg(11.4%)、D群8.9 kg(9.5%)、E群2.0kg(2.2%)だった。

 WOMAC疼痛スコア(ベースライン時、18カ月後;%変化、以下同)は、D+E群(6.7、3.3;51%)においてD群(6.6、4.8;27%)やE群(6.1、4.4;29%)よりも有意に減少した(P<0.0004)。また、WOMAC機能スコアも、D+E群(24.6、13,0;47%)は、D群(24.8、17.3;30%)やE群(23.1、17.5;24%)よりも有意に改善した(P<0.003)。

 可動性の指標として歩行速度(m/秒)を調べたところ、D+E群(1.20、1.34;12%)では、D群(1.18、1.30;10%)やE群(1.23、1.30;6%)に比べて有意に速度が向上した(P<0.004)。

 Messier氏は、「骨関節炎の患者も減量が可能であり、試験開始から6カ月で、3群すべてにおいて痛みや機能が改善した。ただし、食事制限強化+運動群と他群との間で有意差が見られたのは18カ月後だった。最大の症状軽減効果を得るには、長期的に、食事制限の強化に加え、低〜中等度の強度の運動を組み合わせることが重要だと言えるだろう」と考察した。

(日経メディカル別冊編集)